漫画のジャンルには様々なものがありますが、特に人気が高いのがスポーツ漫画。一つの目標に向かって仲間たちと一丸となって進んでいく姿は胸に来るものがあります。
主人公の成長や友情、そして迫力のある試合シーンと魅力が盛り沢山なスポーツ漫画ですが、今回はそんなスポーツ漫画の中から、「バレーボール」を題材としている作品『少女ファイト』をご紹介します。
少女たちが様々な心の葛藤や人間関係を経て成長していく物語。そんな人間ドラマが魅力的な『少女ファイト』について解説していきます!
【厳選100冊】スポーツ漫画のおすすめを競技別に大紹介!胸アツな作品はコレだ!
漫画『少女ファイト』日本橋ヨヲコ / 木内亨(講談社) 基本情報
まずは『少女ファイト』の基本的な情報について説明していきます!
本作のあらすじと作者のこと、そして素晴らしい漫画賞の受賞情報も事前知識として抑えておきたいですよね。
漫画『少女ファイト』あらすじ
あらすじ
「あの日から、友達は作らないって決めたんだから」大石練(おおいしねり)・15歳。バレーボールの名門・白雲山(はくうんざん)学園中等部に在籍。練はずっと自分を抑え続けていた。小学校時代に全国大会で準優勝したチームのキャプテンであったほどの実力を隠しながら。集団スポーツの中で、自分を殺さなければいけない理由は――。それでもバレーを辞められない想いとは――!! バレーボール群像劇スタート!【1巻著者:日本橋ヨヲコ】
参照:https://booklive.jp/product/index/title_id/42510/vol_no/001
姉の影響でバレーボールを始めるも姉を交通事故で亡くした大石練。それからというもの、バレーボールに取り憑かれたかのようにのめり込んでいきます。余計なことを考えなくていいからとがむしゃらに進み続けた練は、そのことが原因でトラウマを抱えることに。対人関係や自分の中のバレーに対する闘争心など、様々な悩みを抱えながらも、悩み、傷付き成長してく物語です。
バレーボールを題材としたスポーツ漫画ではありますが、どちらかというと人間関係の部分に重きが置かれています。
繊細に描き出される心の機微に共感たっぷりの作品です。
作者:日本橋ヨヲコ氏 / 作画監修:木内亨氏ついて
『少女ファイト』の作者は日本橋ヨヲコ氏で、作画監修として木内亨氏が入っています。
日本橋ヨヲコ氏は香川県出身の女性漫画家。
1996年、大学3年生の時に『爆弾とワタシ』が第34回ちばてつや賞で佳作を受賞し、同年に『ノイズ・キャンセラー』が週刊ヤングマガジン(講談社)に掲載されデビューを果たします。その後、週刊少年ヤングマガジンにて『プラスチック解体高校』、『極東学園天国』などの連載されました。
2001年からは月刊IKKI(小学館)にて『G戦場ヘヴンズドア』の連載がスタートし、NHK-FMのラジオ番組・青春アドベンチャーにおいてラジオドラマ化もされました。この作品は今回紹介する作品『少女ファイト』と世界観を共有しています。
2006年からイブニング(講談社)にて当作品『少女ファイト』の連載が始まり、現在も連載中。様々な漫画賞を獲得するなど、高く評価されています。小学生時代はバレーボール部に所属していたそう。当時の経験が作品に活かされているからこその説得力なのかもしれませんね。
作画監修としてクレジットされている木内亨氏はなんと日本橋ヨヲコ氏の旦那さんだそうです。夫婦で共作されているなんて素敵ですね!
漫画賞の受賞歴
漫画『少女ファイト』は様々な漫画賞を受賞しています。
受賞歴は以下の通りです。
- 第2回全国書店員が選んだおすすめコミック
- ブロスコミックアワード2008 大賞
- 第13回文化庁メディア芸術祭マンガ部門 審査委員会推薦作品
大賞もそうですが、文化庁メディア芸術祭は様々な分野の芸術作品がノミネートされる栄誉ある祭典です。そこで審査委員会推薦作品に選ばれるということは、本作の芸術性が高く評価されているということ。とても凄いことなんです。
漫画『少女ファイト』の3つの魅力について解説!
ここからは『少女ファイト』の魅力的なポイントについて、主に3つの観点から解説していきます!
『少女ファイト』魅力①:ダークでリアルな人間ドラマ
この作品の一つ目の魅力は、ダークな人間ドラマが繊細に描かれている点。
参照:http://dharma.hatenablog.jp/?page=1462503600
主人公の大石練は交通事故で姉を亡くし、バレーボールをしている間は姉を忘れられるからと没頭していきます。
そんな練の激しい闘争心、そして周りを顧みない態度が原因で、バレー強豪中学の白雲学園から推薦をもらっていたチームメイト全員に裏切られ一人で白雲山学園に進学することになります。
参照:http://dharma.hatenablog.jp/?page=1462503600
そのことがトラウマとなった練は、自分の本能が剥き出しになることを恐れて本気でプレーすることをやめてしまいます。
参照:https://comic.k-manga.jp/feature/sp1108
それでも試合に出れば抑えられなくなってくる練。
言葉づかいやプレースタイルが明らかに変わってチームメイトも困惑しています。
結局、本当はもっとうまいのに今まで隠していたのか、心の中で馬鹿にしてたのか、とチームメイトに感じさせていまう練。
このように、現実なら人間関係のせいでプレーに影響が出ることってたくさんあるはずです。けど、そういった部分をここまでリアルに、そして繊細に描いてるマンガってなかなか無いですよね。
一人ひとりが抱えるエピソードだったり内面だったりがしっかり深掘りされているので、非常に読み応えのある人間ドラマとなっています。
参照:https://renote.jp/articles/13851
結果的に、内部進学はせず別の高校に進むことになった練。
チームメイトの後悔もしっかり描かれています。
このコマはかなり感動しました。。。
『少女ファイト』魅力②:個性的で頼れる黒曜谷高校のチームメイトたち!
中高一貫校であった白雲山学園ではなく、黒曜谷高校に進学することにした練。
この高校で出会う仲間たちが、とにかく個性的なんです!
参照:https://renote.jp/articles/13851/page/24
黒曜谷高校女子バレー部キャプテンの犬神鏡子。
徹夜で工作してきた変な物を練習で使おうとするなどふざけている感じがありますが、、
参照:https://renote.jp/articles/13851
秋の新人戦で負けたら練の白雲山移籍が決まった際には、この貫禄。
カリスマ性があり、部員全員から信頼されています。
練と同級生の小田切学。
学は練と同じ小学校で、虐められているところを練に助けられたこともあって練に憧れています。
元々漫画家を目指していた学。たまたま練と同じ高校そして同じクラスになった彼女は、練が主人公のバレーボール漫画を書くために女子バレー部マネージャーを希望します。
しかしマネージャーはすでに決まっており、目的がはっきりしていることを評価され選手として女子バレー部のメンバーに。
参照:https://shizen-style.com/232/16/
初心者、かつ運動経験が無い学はうまくいかないことばかりです。
それでも持ち前の頭脳と身長で、初心者ながらにセッターとして成長していきます。
そして学が果たしている最も重要な役割は、練を支えているということ。
練が挫けた時、立ち直らせるのはいつも彼女の言葉です。
このシーンは、小学校時代の自分を裏切ったチームメイトが対戦相手にいた時、戦意を喪失してしまった練に学が声をかけるところ。
こういう時は、まずは自分の気持ちから、と寄り添ってくれる学。
素敵な関係です。
他にも幼なじみでマネージャーの式島滋やチームメイトの長谷川留弥子、伊丹志乃など、練は多くの仲間たちに支えられています。もちろん、仲間たちを練が支えることも。チーム全員が互いに影響しあって成長していく素晴らしい関係性です。
『少女ファイト』魅力③:心に刺さる、真理を突いたセリフたち
『少女ファイト』の良さは、人間ドラマに基づいた鋭いセリフにもあります。
人間関係や他人との距離感に悩んでいる人にはかなり刺さる言葉たちばかり。
そんな名言たちをいくつかご紹介します。
“お前さあ 真面目にイジメられてんじゃねーよ こんなもんお前次第でどうとでも変わるんだよ”
参照:http://nihonbashi.jugem.jp/?eid=423
小学校時代の練が、虐められていた学に言った一言。
「虐められてないからそんなことが言えるんだ」と言ってしまえばそれまでですが、自分の捉え方次第というのは全くもってその通りですよね。しかも実際にいじめから助けた練だから、説得力が違います。
このセリフ、中学時代の練に聞かせてやりたいです。
“お前がそう思うんならそうなんだろう お前ん中ではな”
参照:https://ebookstore.sony.jp/stc/article/campaign/2474/
このセリフ、ネット界隈ではかなり有名。
姉が死んだことを姉のチームメイトの責任だと糾弾する練に対して、幼なじみの滋がたしなめるシーンです。
自分で勝手に他人の考えを想像してしまうことって誰でもありますよね。だけどそれはその人が本当にそう感じているということではなく、“自分が考える”その人の考えでしかないんです。それなのに、他人を恐れて臆病になってしまうのはすごくもったいない。
“よく知らない相手に対して侮辱する言葉を周りに吐き出すテメーのほうが気持ち悪ィだろ 主語がクソでけえんだよ”
参照:https://twiman.net/user/59237215/1176758192480628736
このセリフは本当にその通り。
黒曜谷高校の女子バレー部はあまり評判がよくないのですが、一人の印象が全員の真実ではないですよね。ましてや、「噂でみんな言ってるし」なんて程度のことで他人がとやかく言っていいわけがない。
日本という環境で育つと意外と盲点になりがちな部分じゃないでしょうか。
バレーボール漫画『少女ファイト』の魅力を紹介!まとめ
参照:https://renote.jp/articles/13851
ここまで『少女ファイト』の魅力について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
一人ひとりにしっかりと焦点が当てられたリアルな人間ドラマ。その中で説得力バッチリの心に刺さるセリフたち。
現代社会に生きる人なら共感できるポイントがたくさんある作品です。
少女たちが悩み葛藤しながら成長していく漫画『少女ファイト』、気になった方は是非読んでみてください。きっと気に入りますよ。
読みたい作品が決まった方は、オススメの電子書籍ストアもチェック👇
>> 【徹底比較!】電子書籍ストア厳選18社はどこがオススメ?使うなら、この電子書籍!それでは素敵な漫画ライフを!
コメントを残す