お前は笑うな。

24才の書店員が、日常の「憂さ」を本(漫画・小説)や映画などのエンタメで発散するブログ。

【リアルすぎてしんどい】漫画『凪のお暇』感想

 

「マンガ大賞2018」第3位にランクインしたこのマンガ、

我々「気にしい」が抱える現代病をリアルに描写したハイセンスな物語に男女問わず心奪われます。

 

こういう描写に対する「共感」が、何かを気にしすぎる人々にとってどれほどまでに救いとなり得るか…そんなマンガです。

 

 

『凪のお暇』コナリミサト(秋田書店) 

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マンガ 『凪のお暇』あらすじ

 

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会社で経理を担当する大島凪は、場の空気を読みすぎていつも損な役回りばかり。

頼まれると断れない凪の元には誰にでもできる仕事が集中し、会社では雑用担当の位置を確立してしまう。

いくら仕事をこなせど評価されないばかりでなく、同僚の女子からは完全になめられ、それとない嫌味攻撃にあう毎日。

そんな凪だが、同じ会社の営業部のエース・我聞慎二と密かに付き合っていた。

皆の憧れである彼と付き合っているという事実が、凪の精神的な拠り所となっていたが、凪はある日営業部の一室で彼が同僚に

「今の彼女とはアッチがいいから付き合っているだけ」と発言しているのを聞いてしまい、その場で過呼吸になってしまう。

結局、会社を辞め、人間関係も今住んでいる場所も全て断捨離し、片田舎に引っ越すことにした凪。

元手100万の残高で人生をリセットする、「空気読みすぎ系女子」のリアリティ溢れるコメディマンガ!

 

 

『凪のお暇』感想をまとめてみた!

 

マンガ『凪のお暇』は、とにかく「空気を読みすぎてしまう」人の、リアリティ溢れる日常に思わず「そうそう…」と共感してしまうのです。

こんな風に思ってしまうのって自分だけじゃないんだ…と心強くなりますし、共感するだけで少し肩の荷が軽くなるような気がします。

そんな不思議なパワーを持った『凪のお暇』の個人的感想(面白いポイント)を3つまとめましたので、ご紹介したいと思います!

 

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感想① 凪のセリフに共感の嵐!洞察力や描写力がとにかくスゴい!

 

主人公・大島凪(28)は常に周りを気にして「空気を読んでしまう」人間

同僚にランチに誘われたら、お弁当を作ってきてしまったことを言わずにOKしたり、

上司に同僚のミスを指摘されても、自分のミスということにして怒られたり、

誰にでもできる仕事を頼まれても、二つ返事で快諾してしまうのです。

 

NOといった時の反応が怖くて、

自分で決断を下した上での周りの反応に困ってしまうのが嫌で、

結局、女子会でも他の同僚の話に全て「わかる~」としか返せない。

 

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わかる~~~~~~~~~~~っ!!!!!

 

 

女子じゃないけど、わかる~~~~~~~~~。

 

 

すでに共感の嵐。

結局、出遅れるのは自分と分かっていても、

適度な図々しさや鈍感さを持ち合わせている人間が勝つと知っていても、

そうはなれない人間の全てがここに詰まっている感じがします!

 

めちゃくちゃ興奮しながら読んでしまいました。

「自分だけじゃない」と勇気すらもらえてしまうから不思議です。

そろそろ俺、会社辞めるべきでは??

 

凪と揃って都落ちすべきなのではと本気でよぎったほど、共感してしまうマンガです。

 

 

そんな「空気読みすぎ系」主人公・凪が過呼吸で倒れる瞬間のセリフが良いんです。

 

「あれ?息ってどうやってするんだっけ?…

空気は読むものじゃなくて、吸って吐くものだ」

 

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最高のオープニングで幕をあける「空気読みすぎ系」人間の、都落ちコメディなのです。

 

 

 

感想② それぞれが「空気を読んだ」結果のすれ違いが切ない!

 

主人公・大島凪が場の空気を読みすぎる人間であることは前述の通り。

ですが、彼女と付き合っている(いた)営業部の我聞慎二もまた、なんでもあけすけにものを言うタイプに見えて、ものすごく繊細に物事を考えて、気を遣った上で発言をするタイプなのです。

 

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お互いが周囲に気を遣うあまり、本意でないことが口をついて出てしまい、それによってまた面倒臭い思考が巡り、結局すれ違ってしまうことに。

あぁ、なんて切ないのだろう。

「本心をきちんと言葉にして伝えなくては意味がない」ということを、再認識させられます。

 

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凪だけでなく、それぞれの登場人物の背景も丁寧に描かれるため、「本当はこう思っての発言だったのに、こう受け取られていた」というようなストーリー展開があり、そこが見事です。

 

自分自身もしっかり本心を言葉で伝えなきゃ、と身につまされる一方、

それができたら苦労しねぇわクソが。

 

…というスタンスのまま、ストーリーが進行してくれるところもまた、「分かってる」と思います。

 

人生は簡単じゃないっす。

 

 

 

感想③ 凪の「お暇」ライフに心踊る!

 

都心に住んでいた凪が何もかも断捨離し、リセットするために引っ越してきたのは「立川」

あの西東京の立川です。ナイスチョイス。

いわゆる「都落ち」というやつ。

 

でもいくらそれが「都落ち」であろうと、無職であろうと、今の凪には関係ありません。

関係ない、といえば語弊ですが、少なくとも「前よりはマシ」なのです。

 

空気が美味しい、それだけで過去の会社員生活より立川での「お暇」生活が楽だというから、

なるほどそうなのかと惹かれてしまっている自分がいます。

 

凪はこの立川の6畳の古いアパートで、他者からの評価を気にせず「自分らしく」生きる住民と出会います。

 

例えば、ひもじい婆さんに見えて、実は映画鑑賞好きな隣人。

 

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外では自販機の下の銭を探したり、パンの耳をもらったり、かなりひもじいお婆さんという評判を受けながら、

凪がいざ部屋にお邪魔すると、実は部屋の壁に大きなスクリーンを投影し映画鑑賞に適した部屋のコーディネートで、映画ライフを楽しんでいるお婆ちゃんだった!

もらっていたパンの耳は、チョコレートに浸して簡単に調理することで映画のお供にぴったりのスイーツにするためだった。とかとか。

 

こんなに(心が)豊かな生活ってあるんだなと凪は感心してしまいます。

 

そういう人を見て、凪が徐々に他者の目から自由になる過程が描かれます。

それは読者一人一人に自分自身のこととして問いかけてくるようで、僕も「こんな生き方がしたい」と思わせてくれるのです。

(現に自分の好きなことをして働けるように、僕は今この記事を書いているわけでありますが)

 

ただの「都落ち」と思えていたことが、どんどん別の視点に上書きされていく凪の「お暇」成長ライフに、ページをめくる手が止まらなくなります。

なんとも現代のストレス社会を生きる「気にしい」な人間にぜひ読んで欲しい一冊となっております。

 

 

 

『凪のお暇』は既刊3巻で読みやすい!

 

あっという間に読めちゃいます。

特に一巻は本当にオススメします。

現代の会社員が一度は経験したことのあるだろう「あるある」が凝縮されています。

自分が感じていたことが、人もそうであったとわかった時の、あの安堵感たるや。

ページをめくるたびにニヤニヤしてしまう自分に気づくことでしょう。

クスッと笑ってストレス発散です。