【令和4年2月③週目】メディア編集部が注目する今週のおすすめ漫画!

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さて「編集部が注目する今週の漫画」では、毎週本メディアの編集部がオススメする漫画をご紹介していきます。

2022年2月③週目は4冊をご紹介。今週も業界の大注目作品を集めてみました。

良作漫画を探している方、ぜひ参考にしてみてください。

 

『未来人サイジョー』いましろたかし(KADOKAWA)

昭和にタイムスリップした男・西条が、現代漫画を丸パクリ!

『未来人サイジョー』

あらすじ
突如、激動騒然の2020年から、50年前の大阪にタイムスリップしてしまった元漫画家アシスタント西条浩志(50歳)。 ツテ無し無一文の彼の前にあらわれたのは、肉屋でバイトをしながらプロ漫画家を夢見ている稀代のお人好し北川ススム(20歳)! 二人を待つ未来とは!? 決死のサバイバルが今始まる!!
引用:https://booklive.jp/product/index/title_id/20032353/vol_no/001

注目ポイント

 漫画家のアシスタントとして食い繋いできた西条浩志(50才)が、2020年から1970年(50年前)にタイムスリップしてしまう物語。オーソドックスな設定ながら、1970年代・昭和の時代の匂いが色濃く描かれており、ノスタルジックな世界観に魅了されます。西条は、そんな昭和の世界を今より住みやすいと思ったりして……未来人・西条の視点を通して語られる「現代批判」も、また面白いポイントの一つです。

 そして、タイムスリップして路頭に迷っていた西条が出会うのが、漫画家志望の青年・北川ススム(20才)。北川の家に転がり込んだ西条が思いついたこと…それは現代の名作漫画をパクって先に売れることでした(なんとも姑息でプライドのプの字もない…!)。けれど、もし自分が未来に行ったらと妄想するとき、誰しもが一度は考えたことでもありますよね。

 未来を知る西条とそれが贋作だと知らない北川のコンビが、漫画雑誌が飛ぶように売れた昭和に新しい物語を生み出してゆく。この時代ロマンと人間臭さが本作最大の面白さです。未来で流行った作品だからといって50年前の昭和で受け入れられるかは別問題、しかもそれは未来の歴史を変えることにもなってしまう…様々な葛藤が詰め込まれた物語、要注目です。(3巻完結)

『未来人サイジョー』バナー

参照:https://comicbeam.com/product/miraijinsaijo/

『未来人サイジョー』コマ

参照:https://natalie.mu/comic/gallery/news/424126/1572978

選定理由

カルチャー誌『フリースタイルVol.50』(フリースタイル)の名物企画「THE BEST MANGA 2022 このマンガを読め!」にて紹介されていた一冊です。オーソドックスながらワクワクする設定と、ノスタルジックな世界観、そして愛すべき西条と北川のキャラクター。物語を面白くする要素が凝縮されている名作だと感じ、推しました!(編集長・たけだ)

 

 

『あなたはブンちゃんの恋』宮崎夏次系(講談社)

女子と女子と悪霊の、三角関係の恋の行方はー

『あなたはブンちゃんの恋』

あらすじ
あなたが好き。狂おしいほど、ただただ、好き。痛くてまぶしい、ブンちゃんの恋。宮崎夏次系が描く、女×女×悪霊の三角関係。片想いのやりきれなさ、好きな人に嫌われる前にいっそ自分から嫌いになりたいと願う混乱した心、好きな人を強く想うあまりにとってしまう奇行……恋に不向きな主人公・ブンちゃんの「苦しさ」と「変さ」がいとおしく、他人事に思えない作品です。不器用きわまるブンちゃんの恋は、そんなブンちゃんのそばにいても何もできない悪霊・シモジの恋は、いったいどこへ向かうのかーー。
引用:https://booklive.jp/product/index/title_id/870234/vol_no/001

注目ポイント

 ブンちゃんは三舟さんという女の子に想いを寄せる女の子。しかし、そんな三舟さんは未だにプール事故で亡くなった同級生の男の子・シモジのことを想っていて。そして亡くなって尚、三舟さんに思われ続けるシモジはというと、悪霊となって人形に取り憑きブンちゃんのそばにいる…。この今まで見たことのない新しい三角関係の恋模様に、ど頭からグイッと惹き込まれてしまいます。

 本作の魅力は、なんと言っても片想いの苦しさです。「叶わぬ恋の痛み」を、どこまでも的確な言葉(セリフ)で表現し、その胸の疼きを読者に追体験させる力強さを持った物語。幾度となく胸をギュッと締め付けられます。

 ブンちゃん、三舟さん、シモジ。3人それぞれ想う人は違うのに、実らないことの痛みだけは同じで、そんな皮肉な共通点をベースに進んでいく構成も圧巻です。決して綺麗な青春の恋愛譚にはなっておらず、好きな人を想うあまりに誰かの不幸を願ってしまうような、人間の醜さが嫌というほど描かれており、だからこそ共感できる人も多いはず。

 また、シモジが悪霊として人形の取り憑いているという設定から、物語がどんどんと意外な方向へと展開していくところも見逃せない注目ポイントになっています。

『あなたはブンちゃんの恋』コマ

参照:http://www.moae.jp/comic/bunchannokoi

選定理由

『変身のニュース』『僕は問題ありません』『アダムとイブの楽園追放されたけど…』などの作品を描き、漫画好きの間で圧倒的な支持を集めている宮崎夏次系先生。そんな先生が初めて描く長編ラブストーリーということで注目度は抜群。どこまでも切なく苦しい心理描写に共感する人は多いはず!と、選定しました(編集長・たけだ)

 

 

『ハト部』羽賀翔一(コルク)

謎の部活「ハト部」を舞台に、冴えない男子高生の日常を描き出す

『ハト部』

あらすじ
そもそもどんな活動をしているのか、名前以外はいっさい不明の謎の部活「ハト部」。ひょんなことから「ハト部」に入部した男子生徒が、個性豊かな部長先生や部員たちが巻き起こすドタバタ劇を通じて、パッとしない日常生活の大切さに気づいていく。
引用:https://booklive.jp/product/index/title_id/1061050/vol_no/001

注目ポイント

 パッとしない…けれども、めちゃくちゃ陰キャというわけでもない。そんな絶妙に日の当たらないポジションにいる「ハト部」の部員(男子)たち。そもそもこの「ハト部」という部活は、名目上は伝書鳩レースの大会に出ることを目的としている部活ですが、実質は冴えない男子たちの溜まり場になっています。

 しかし、この「ハト部」の部員たちにも各々意地やプライドがないわけではなく、クラスの一軍の男子たちと仲良くしたい気持ちも、高嶺の花である女子に良いところを見せたい気持ちもあって、そんな健気な男子たちのキャラクターがとにかく愛おしいんです。そして随所に散りばめられたスクールカーストと自意識のあるあるがとにかく鋭い。かつて誰もが一度は経験したことのある細やかな感情が、主人公・林田くんのモノローグを通しておかしく言語化されており、思わず「ふふっ」と笑ってしまうシーンがたくさんあります。

 そして、そんな「ハト部」が廃部の危機に直面。居場所がなくなると知った時、「ハト部」の部員たちの日常に些細な変化が生じます。今高校生の人はもちろん、かつて高校生だった全ての人たちに刺さる何気ない日常の物語です。

『ハト部』コマ

参照:https://ddnavi.com/review/913649/a/

選定理由

「cakes」に連載されており、SNSでも話題だったことから単行本化した際に読み、その人間描写、スクールカースト描写の繊細さに見せられました。漫画『君たちはどう生きるか』羽賀翔一先生の書き下ろしということもあり、選びました!(編集長・たけだ)

 

 

『今夜すきやきだよ』谷口菜津子(新潮社)

ジェンダー規範を乗り越えた先にある「結婚」の形とはー?

『今夜すきやきだよ』

あらすじ
フリーの内装デザイナーとして働くあいこは、結婚願望が強く、今の彼氏と結婚したいと思っている。でも家事はまったくできなくて、「家庭的な理想の奥さん像」を求める彼とすれ違い気味。絵本作家のともこは、家事は得意だけれど、世の中の結婚や恋愛があまりピンとこない。「理想の結婚相手が見つかるまでの間、とりあえず私と結婚しようよ」正反対のあいことともこ、アラサー女子の二人暮らし。普通の結婚ってなんだろう?
引用:https://booklive.jp/product/index/title_id/1008236/vol_no/001

注目ポイント

 結婚したいが家事が苦手で彼氏の求める理想の女性像にハマらないことが悩みのあいこと、家事は大好きだが結婚に対して興味が持てないことに悩むともこ。この2人の同居生活を起点に始まる物語。

 2人のアラサー女子の同居もので、よくある流行りの設定といえばそうなのですが、未だに根強く残る「ジェンダー規範」についてとことん考え、自分なりの答えを出してゆく2人の姿が応援できる漫画です。特に「結婚」についてがメインテーマとして描かれているのですが、「人の幸せは結婚である」という通念に対する悩みや、「結婚したら女性が家事の担い手である」という考え方に対する疑問など、リアルな問題を正面から描いています。

 そして、抱えたモヤモヤをどう解決してゆくか…という「未来」へ視点が向いていることが本作の魅力だと思います。ただ疑問を呈するだけでなく、それを登場人物たちが考えて話し合って、そして新しい「結婚」の形を見つけるところまで、とても前向きな気持ちになれる物語として描かれています。

 また決めつけられた”女性性”を押し付けてくる男性だけでなく、”男性性”に苦しむ男性についても描写されているところがすごく好感を持ちました。皆が規範から自由になれるような社会であってほしいという祈りが込められた物語です。

『今夜すきやきだよ』コマ

参照:https://twitter.com/nco0707/status/1261241642666749953

選定理由

『教室の片隅で青春がはじまる』では、少しの出来事で簡単に変わってしまう高校生たちの繊細な関係性・カーストを描写した谷口菜津子さんの新作ということで読み、その主張の強さと自由への祈りに強く共感したので選びました。『今夜すきやきだよ』というタイトルも惹かれるものがあり、作者のタイトルに込めた想いを読むとさらに本作が好きになります(編集長・たけだ)

 

 

以上、2022年2月③週目、編集部の注目マンガでした。

前回の編集部注目マンガ(2021年1月②週目)はこちらをご覧ください、

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