野球漫画といえば、情熱的で正々堂々としていて、といったイメージの主人公が多いですよね。真っ直ぐな性格の主人公が成長していく物語は王道ですから、そういった作品に人気があるのも当然です。
しかし、やはり勝たなければ面白くない。結局一番大事なのは結果なわけですよ。他人を欺こうが、蹴落とそうが、最終的に勝ちをその手に収める男。真っ直ぐな青春バカもいいですが、やはり勝ち続ける男はカッコいいじゃないですか。
そこで今回は、クールでカッコいい天才賭博師がプロ野球に挑むという異色の作品『ONE OUTS』を紹介していきたいと思います。
それでは早速『ONE OUTS』を紹介していきます!
『ONE OUTS』甲斐谷忍(集英社) 基本情報
まずは『ONE OUTS』の基本的な情報について説明していきます!
『ONE OUTS』あらすじ
優勝に必要な何かが足りない” その“何か”を捜して、沖縄で自主トレに励む“不運の天才打者”児島弘道。そこで彼は一人の男と出会う。120km/hそこそこの直球だけで、賭野球“ワンナウト”で無敗を誇る男。彼は名乗る。渡久地東亜と…。
参照:https://booklive.jp/product/index/title_id/199821/vol_no/001
参照:https://www.funwarijump.jp/oneouts-zenkanmuryou/
物語は、不運の天才打者・児島弘道が沖縄で出会った天才賭博師・渡久地東亜と賭け野球で勝負することで動き出します。
これまで数々の個人タイトルを手にしながらも優勝だけは経験できていない児島は、実力や運以上に何かが足りないと感じていました。
渡久地との賭け野球で彼の勝負師としての才能がその足りない何かだと感じた児島は、渡久地を自身が所属している埼京彩玉リカオンズ入団させることに。
ここから、天才賭博師・渡久地東亜がプロ野球界に大きな波乱を巻き起こしていくことになります。
ゲスいオーナーと結んだワンナウト契約やチームぐるみでイカサマしてくる相手との試合など、試合内外での心理戦が熱い作品です。
作者・甲斐谷忍さんをカンタンにご紹介!
参照:https://jra-van.jp/fun/mykeiba/055_kaitanisan_01.html
『ONE OUTS』の作者である甲斐谷忍さんは、鹿児島県出身の男性漫画家です。
1994年に週刊少年ジャンプ(集英社)にて『翠山ポリスギャング』でデビューされています。デビュー前はサラリーマンをされており、ヤングマガジン月例賞への初投稿作が佳作受賞『もうひとりの僕』が第42回手塚賞準入選受賞など、ビジネスマン時代から才能を発揮されていた模様です。
その後、MANGAオールマンで連載された『ソムリエ』はドラマ化もされワインブームの火付け役に。
当作品『ONE OUTS』は1998年から2006年までビジネスジャンプにて連載され、こちらも2008年にアニメ化されています。
また、2005年から週刊ヤングジャンプにて『LIAR GAME』の集中連載が始まり、こちらもテレビドラマ化。こちらの作品は映画化もされるほどの人気を誇っていました。
ドラマ化やアニメ化される作品を数多く生み出している漫画家です!
『ONE OUTS』の見所3つを徹底解説!
ここから本題。『ONE OUTS』の見所を大きく3つに分けて徹底解説していきます!
見所①:天才賭博師・渡久地東亜がカッコ良すぎる!
この作品はあらゆる野球漫画とかなり異なった様相を呈しています。
主人公である渡久地は豪速球を投げたり特大のホームランを打ったりしないし、球種もストレートだけです。そんな渡久地がどう戦っていくのか。そこで出てくるのがギャンブルです。
生粋のギャンブラーで天才的な嗅覚を持つ渡久地。自分自身やチームの持つ限られた手札を駆使し、相手を手玉にとって勝利を掴んでいく展開が最高にシビれます。
そして勝負師としての力量と共に渡久地の武器であるのがこの回転数と精密な制球力。
球種はストレートしか投げられませんが、リリースの瞬間に回転数を自在に変えることができるため様々な種類のストレートを投げることができます。
バッターの一挙一動を見ながら回転数を調整することで裏を書いて打者を討ち取っていくのです。
参照:https://alu.jp/series/ONE_OUTS/article/B4TZ3j2geP66PPrK1qVi
ギャンブラーですから、イカサマまがいのことをすることももちろんあります。
しかし、彼曰く「一旦通ってしまった不正はもはやイカサマでも反則でもない、正義だ」とのこと。
無茶苦茶言ってるように聞こえるかもしれませんが、結果を残しているからこそのセリフ。
野球漫画の主人公としては唯一無二の、悪のカリスマ感がたまりません。
見所②:試合外での緊張感漂う心理戦が熱い!
この作品のタイトルにもなっていますが、渡久地はまず入団するときに球団オーナー彩川と「ワンナウツ契約」なるものを結びます。
その内容が、こちら。
参照:http://www.inlifeweb.com/reports/report_6756.html
年俸契約ではなく、仕事をした分だけ報酬をもらうと言う渡久地は、ワンナウトにつき500万円を要求します。ただ、かわりに1失点するたびに5000万円を支払うという条件も提示します。
1試合完投すればアウトの数は27個ですから1億3500万円ととんでもない額になりますが、3点取られればその時点でマイナス。しかも基本的には1試合あたりのアウトの最大数は27個よりは増えませんが(延長とかは考えられますが)、失点は際限がないので明らかに不利な契約。オーナー・彩川もこの契約を承認します。
そしてここから渡久地はアウトを積み重ねまくるんですよ。
オープン戦だけで2億7000万の報酬を獲得した渡久地ですが、彩川もその負けを取り戻そうと必死になります。自身のイヌである選手にわざとエラーさせたりするなど、彩川も手段を選ばないタイプの人間。ゲスいけど人間味があって嫌いじゃないです。笑
その後も新たに結ばれた新・ワンナウツ契約に則ってレートを跳ね上げるなど、様々な策を弄して渡久地との勝負に力を入れていきます。
試合外でも経営陣との勝負の中でも相手の裏をかき合う熱い心理戦が繰り広げられており、野球と関係ない部分でもかなり楽しむことができる作品です。
見所③:人生や仕事に活きる考え方が詰まった名言ばかり
勝負師という特性なのか、人間の真理を悟ったような発言が多い渡久地。そんな彼の発言がかなり心にグサっとくるんですよ。
参照:http://www.inlifeweb.com/reports/report_6756.html
野球のプロは野球をすることが仕事なのではなく、勝つことが仕事であると主張する渡久地。プロの世界は厳しいなあと感じるかもしれませんが、これって誰でも同じですよね。お金をもらって働いている以上、結果を出すのが仕事。結構忘れがちになってしまう部分かもしれません。
参照:https://ameblo.jp/yoshiki-0722/entry-12334768327.html
リーグ戦は負けることが許されており、これを利用して負けも含めて最終的な勝ちの獲得に向かっていくわけですが、人生も同じように感じます。
達成したいゴールがあるのならば、どう成功させるかと同時にどう失敗したのかも大切ですよね。
他にも、修羅場をくぐり抜けてきた渡久地だからこその名言がかなり出てきます。
ビジネスマンには是非読んで欲しいです!
『ONE OUTS』見所を解説!まとめ
異色の野球漫画『ONE OUTS』について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
ギリギリの勝負や騙し合いの連続の中で、天才賭博師・渡久地東亜に驚かされることばかりのこの作品。ギャンブラーというちょっと悪役っぽい主人公ではありますが、数多の勝負の中で揉まれてきたからこそのカッコよさ、カリスマ性、そして悟りの境地があります。
最高にクールでニヒル、そして手段を選ばない主人公による野球(ギャンブル)漫画『ONE OUTS』、気になった方は是非手に取ってみてください!
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