「本を書いたから誰かに読んで欲しい」「持っている知識やノウハウを生かして収入を得たい」などの理由で、自分の本を出版したいと思っている方は多いのではないでしょうか。
なんとその夢、大手電子書籍サービス「Kindle」で叶ってしまうんです!
実は方法さえ知っていれば、誰でもKindleで電子書籍を出版できちゃいます。とはいえ電子書籍を書き始める前に知っておくべき手順もあるため、事前に方法を確認しておかなければいけません。
今回はKindleで電子書籍を出版する手順を4ステップでわかりやすく紹介するので、ぜひ参考にしてみてください!
Kindleで電子書籍を出版するために知っておきたい基礎知識とメリット
Kindleで電子書籍を出版するために知っておきたい基礎知識とKindleで出版するメリットは、以下の通りです。
- 出版社の許可を得なくても出版できる
- すべての作業を自分でやれば無料でも出版できる
- スピーディーに出版できる
- 利用者が多いAmazonで取り扱ってもらえる
- 自分で取り下げない限り販売停止にならない
- 紙の本よりも印税率が高い
それぞれについて詳細を確認しましょう。
電子書籍の出版以外にKindleでできることについては、以下の記事で詳しく紹介しています👇
メリット①:出版社の許可を得なくても出版できる
Kindleで電子書籍を出版する場合は出版社の許可が不要で、誰でも出版できるのがメリットです。
対して、紙の本を出版する場合は、出版社経由での販売になるため出版社の許可を得なければいけません。原稿を持ち込めば誰でも出版できるわけではなく、出版社に評価される必要があります。
出版社の許可を得ずに出版するなら「自費出版」という方法もありますが、自費出版をする際の費用は全額自己負担です。好きな本を出せるメリットがあっても負担が大きい点から、あまりおすすめできません。
メリット②:すべての作業を自分でやれば無料でも出版できる
Kindleで電子書籍を出版する場合、全ての作業を自分でやれば無料でも出版できます。お金を掛けたくない人でも気軽に出版できる点で、おすすめの方法です。
紙の本を自費出版する場合、用紙代なども含めて100万円~1,000万円程度の費用がかかります。
出版に必要な費用を左右する要素を見てみましょう。
- 原稿を自分で書くかライターに依頼するか
- イラストがある本の場合に自分でイラストを描くイラストレーターに依頼するか
- 誰に依頼するか
誰かに依頼するならクラウドソーシングやスキル販売サイトなどを通して依頼できますが、原稿やイラストを依頼するとその分の費用が必要です。依頼する相手によっても費用が異なります。
誰にも依頼せずにすべて自分でやれば、無料での出版も可能です。
メリット③:スピーディーに出版できる
Kindleで出版する場合、最短48時間でのスピーディーな出版が可能です。
日本電子書籍協会によると、電子書籍の登録が完了した後でAmazonによる審査が行われ、48時間以内に公開されます。
参考:日本電子出版協会│KDP
無審査ですぐに電子書籍が公開されるのではなく、審査があっても48時間以内に公開できるスピーディーな対応が魅力です。自費出版の場合は出版社でのチェックに数か月から1年程度必要で、最短でも3か月程度かかります。比較すると、Kindleなら本を出したいと思ったタイミングですぐに出版できて便利です。
ただし、ガイドラインに従っていない本は審査に通らないため、ガイドラインを確認してから執筆を始めましょう。
メリット④:利用者が多いAmazonで取り扱ってもらえる
利用者が多いAmazonで取り扱ってもらえるのも、Kindleで出版するメリットです。
電子書籍を出版しても、読んでもらえなければ意味がありません。名前が知られていない人が電子書籍を売るのは難しいものです。売る可能性を高めるなら、まずは多くの人に電子書籍の存在を知ってもらわなければいけません。
AmazoのKindleは電子書籍ストアとしてもとても有名で、多くの利用者がいます。
多くの人が見る場所で出版すれば興味を惹かれる本を探している人の目に留まりやすく、読んでもらえる可能性も高まるでしょう。
Kindleでは海外に向けての出版も可能です。イラストや写真が中心の電子書籍なら、海外の人に読んでもらえるケースもあります。
メリット⑤:自分で取り下げない限り販売停止にならない
Kindleでは自分で電子書籍を取り下げない限りは、販売停止にはなりません。
対して、出版社経由で出版している場合は、出版社の判断で絶版になる可能性があります。電子書籍でも出版停止になるケースが見られ、紙の本だけの問題ではありません。絶版になりやすいのは、あまり売れていない本です。
Kindleなら出版した本人が取り下げない限りは販売停止にならず、少ししか読まれなくても長期間販売し続ければある程度の収入が得られる可能性もあります。
メリット⑥:紙の本よりも印税率が高い
Kindleでは紙の本よりも印税率が高いのが特徴です。
Kindleでは印税を「ロイヤリティ」と表現していますが、Kindleのロイヤリティは35%または70%になります。国立国会図書館の資料によると紙の本の印税率は8%~12%が標準で、なかでも多く見られるのが10%です。
たとえば1,000円で本を出版する場合、印税率によって収入が以下のように異なります。
- 印税率10%:100円
- 印税率35%:350円
- 印税率70%:700円
かなり大きな差になるのがわかります。
売れる冊数が多ければ差はさらに広がるため、印税率が高いKindleでの出版を選ぶ方がお得です。Kindleで印税を70%に設定するには条件がありますが、後ほど詳細を紹介します。
Kindleでの電子書籍の出版に必要な4つのステップ
Kindleでの電子書籍の出版に必要なステップは、以下の4つです。
- Kindleで出版する電子書籍を執筆する
- KDP(Kindle Direct Publishing)に登録する
- Kindleに電子書籍を登録する
- 電子書籍の価格を設定する
それぞれのステップで何をすればよいのか、詳細を確認しましょう。
ステップ①:Kindleで出版する電子書籍を執筆する
電子書籍を出版するなら、まずは電子書籍の原稿を執筆する必要があります。
とはいえ初めて執筆する場合は、何から取りかかっていいかわからない場合もあるでしょう。
手順を追って執筆すれはそれほど難しくはないので、手順を参考にしてみてください👇
書く内容や本のイメージを決めて執筆する
電子書籍の原稿を執筆する場合は、以下の手順に従って執筆しましょう。
- 書く内容を決める
- 原稿を執筆する
- 誤字脱字の確認をする
最初に書く内容を決めるのが重要です。
「書きたいジャンル」「文字を中心にするのかイラストを入れるのか」など、本のイメージを浮かべながら何を書くか決めましょう。
縦書きにするか横書きにするかでも印象は変わります。
同じような内容の本が出ていると売れにくいので、書きたい内容が決まったら同じような書籍がすでに出ていないかリサーチしましょう。
書く内容が決まったら執筆を進めます。
電子書籍は書いて終わりではなく、誤字脱字の確認も重要です。本を出版する以上は、誤字脱字にまで気を配って正確なものにしましょう。
「Kindle出版では売れない?」不安なときに試したい売るための対策
「Kindle出版で本を出しても売れないのではないか」と不安なときには、以下のような売るための対策をしましょう。
- ターゲットを決める
- わかりやすさにこだわる
- よく読まれているジャンルをリサーチする
漠然と本を出版しても売れない可能性が高いので、誰に向かって本を出すのかターゲットを決めましょう。
子供向けならイラストの多い本、主婦向けなら家事や育児に関連した内容の本など、ターゲットが決まると内容も浮かびやすくなります。
読者にわかりやすい表現で書くのも重要です。ターゲットによっては、専門用語をたくさん使った難しい本は売れません。詳しい人に向けて書く本の場合は、簡単すぎる表現だとかえってわかりにくくなります。ターゲットにとってわかりやすい表現を心がけましょう。
よく読まれているジャンルの本を出版するのも一つの方法です。多くの人が興味を持っているジャンルだと、手に取ってもらえる可能性が高まります。
ステップ②:KDP(Kindle Direct Publishing)に登録する
電子書籍の執筆が終わったら、Kindleで出版する準備としてKDP(Kindle Direct Publishing)に登録する必要があります。KDPとはKindleの個人出版サイトです。
登録の手順を事前に確認して、スムーズに進めましょう👇
KDP(Kindle Direct Publishing)に登録する手順を紹介
KDP(Kindle Direct Publishing)に登録する手順は以下の通りです。
- Amazonアカウントを利用してKDPに登録
- 著者または出版社情報を登録
- 支払いの受け取り方法の指定
- 税務情報の入力
Amazonアカウントを持っている人は、Amazonのログイン情報を利用してKDPに登録できます。
Amazonのアカウントがない人は、KDPからサインアップしてアカウントを作成しましょう。
名前とメールアドレス、パスワードがあればアカウントの作成ができます。
KDPアカウントの作成が終わったら、著者情報または出版社情報を登録しましょう。
個人で出版する場合は、氏名と税申告やロイヤリティの支払いに使用する住所の入力が必要です。出版の際にペンネームを使用する場合も、著者登録の段階ではペンネームを記載してはいけません。登録した内容は納税フォームにも使用されるため、ペンネームを登録すると納税の際に問題が起きます。
次に支払いの受け取り方法を選びますが、Amazonでも推奨されている銀行への直接振込が便利です。直接振込には最低支払額がなく、小切手などの他の方法と比較して入金が早いなどのメリットがあります。
税務情報に関しては画面の指示通りに入力を進めましょう。収入を受け取るのは個人か、米国人かなどの情報の入力が求められます。
KDPとKDPセレクトの違いを知って登録しよう
KDPには”KDP”と”KDPセレクト”の2種類があるので、両者の違いを知って登録する必要があります。
どのように違うのか確認しましょう。
種類 | KDPセレクト | KDP |
---|---|---|
条件 | Kindleストアでの独占販売 | Kindle以外の電子書籍ストアでも販売可 |
ロイヤリティ | 条件により70% ※通常35% |
35% |
価格設定 | 99円~20,000円 ※250円~1,250円:ロイヤリティ70% |
99円~20,000円 ※一律でロイヤリティ35% |
登録可能 サービス |
・Kindle Unlimited ・Kindleオーナーライブラリー(KOL) ・Kindle Countdown Deals |
なし |
KDPセレクトに登録すれば最大で70%のロイヤリティが設定されるのが最大のメリットです。Kindle以外の電子書籍ストアで電子書籍を販売する予定がない場合は、KDPセレクトへの登録を検討しましょう。
本の価格は両者とも99円~20,000円の範囲で決められますが、KDPセレクトで70%のロイヤリティになるのは250円~1,250円に価格を設定した場合のみです。
KDPセレクトでは、定額での電子書籍読み放題サービス「Kindle Unlimited」や1ヶ月に1冊無料で本が読める「Kindleオーナーライブラリー(KOL)」に登録できます。
さらに「Kindle Countdown Deals」という、ロイヤリティを獲得しながらキャンペーン割引や無料キャンペーンが実施できる特典も利用可能です。
KDPセレクトに登録した方が本を手に取ってもらうチャンスが増えます。
ステップ③:Kindleに電子書籍を登録する
KDPへの登録が終わったら、Kindleに出版したい電子書籍を登録しましょう。
登録する必要がある情報は、以下の2点です。
- 電子書籍の詳細
- コンテンツ
それぞれの詳細を確認しましょう。
電子書籍の詳細を入力
電子書籍を出版する際には、以下のような詳細の情報を入力する必要があります👇
- 使用する言語
- 本のタイトルやサブタイトル
- 本の版
- 著者
- 本の内容紹介
- キーワード
- カテゴリー
- 予約注文の有無
電子書籍の詳細については、一般的に本を出版する際に必要な本のタイトルや著者などの情報を入力します。
Amazonは世界各国で電子書籍を取り扱っているため、使用する言語の選択も必要です。
(本の版は初めて出版された状態か、更新された状態かを表します)
著者名にはペンネームを使用しても構いません。
本の内容紹介は、読者が電子書籍を探す際に商品詳細に表示される部分です。電子書籍を購入するかどうかの判断材料になる部分なので、読んでもらえるような内容を心がけましょう。
キーワードを入力しておけば、検索されたときに本を見つけてもらいやすくなります。カテゴリーは本のジャンルを表すものです。
予約注文は電子書籍のみで利用できる機能で、利用すると発売前から宣伝ができるメリットがあります。
コンテンツを入力
登録する必要のあるコンテンツの内容を確認しましょう。
- DRMの設定
- ページを読む方向の設定
- 表紙のアップロード
DRMとはデジタル著作権管理で、電子書籍が不正利用されないように保護してくれるシステムです。
DRMを設定すると電子書籍の利用や複製が制限されてコンテンツが守られますが、機器に負担がかかる例が見られるなどのデメリットもあります。
より広く電子書籍を広めるためにDRMを利用しない方法もあるため、不正利用の可能性を考えて設定するかどうか決めましょう。ページを読む方向は、執筆した原稿に合わせて設定する必要があります。
最後に表紙をアップロードしたら、設定は完了です。
ステップ④:電子書籍の価格を設定する
電子書籍の設定が終わったら、価格を設定します。
Kindleで設定できる価格帯は、99円~20,000円です。
上記で紹介したように、KDPセレクトに登録している場合は250円~1,250円の価格帯に設定するとロイヤリティが70%になるメリットがあります。
KPDセレクトに登録している場合は、250円~1,250円の範囲で価格を設定するとよいでしょう。
一般の人が書いた電子書籍の価格を250円以上に設定すると売れにくい可能性もありますが、KDPセレクトなら「Kindle Unlimited」が利用できます。
「Kindle Unlimited」は定額で電子書籍が読めるサービスで、電子書籍の価格は読むか読まないかに影響しません。
「Kindle Unlimited」では読まれたページにつき0.5円程度の収入が入るため、電子書籍の価格に関わらず収入が得られます。
KDPセレクトに登録しない場合は、これまでの販売実績などを元に売れそうな価格を設定しましょう。
Kindle出版に関するよくある質問と回答を紹介
Kindle出版に関するよくある以下の質問を取り上げて、回答を紹介します。
- Kindleの電子書籍は無料で出版できる?
- Kindleで電子書籍を出版する際の出版代行とは?
- Kindleで電子書籍を出版すると儲かる?
- Kindle出版はWordやPDFに対応している?
気になる内容がある方はチェックしてみてください。
Q:Kindleの電子書籍は無料で出版できる?出版費用はどれくらい?
A:Kindleの電子書籍は、執筆から登録まですべて自分でやれば無料での出版も可能です。
イラストレーターやライターに作成を依頼するなど、作成の一部を他人に依頼すると費用が発生します。作成の一部を依頼したい場合はクラウドソーシングやスキル販売サイトで引き受けてくれる人を探せますが、費用は様々です。本のページ数や描いてほしいイラストの数、依頼する相手などで費用が変わります。
スキル販売サイトでイラストの依頼を受けている方の商用向けイラストの相場を見てみると、3,000円~20,000円程度と価格は幅広いです。ライターの場合は10,000円以上の設定が一般的で、文字数に応じて料金を設定しているケースも見られました。
外注する部分を増やすほど、費用は高額になります。
Q:Kindleで電子書籍を出版する際の出版代行とは?
A:Kindleで電子書籍を出版する際の出版代行とは、電子書籍を発行する際の作業の一部を代行するサービスです。
代行する内容はサービス会社によって異なり、以下のようなサービスが受けられます。
- アカウント登録
- アップロード代行
- 表紙のテンプレートの提供
- 表紙のデザイン製作
- ファイル形式の変換
- コンサルティング
- 編集
- 企画から執筆まで
どこまで依頼したいかを考えたうえで、必要なサービスを選択しましょう。
出版代行を利用すると、費用が発生します。企画から執筆まで依頼するなど、サービス内容によっては高額になるケースもあるため、費用面も考えたうえでサービスの利用を検討しましょう。
一例ですが、こんなサービスもあるみたいですよ👇
「電子書籍出版代行サービス」の詳細はコチラ
Q:Kindleで電子書籍を出版すると儲かる?
A:Kindleで電子書籍を出版すると儲かる可能性もありますが、最初はなかなか売れないと考えた方がよいでしょう。
本を購入する場合、多くの人が名前を聞いたことがある人の本を選ぶものです。個人出版の本がすぐに売れるわけではありません。
Kindleで儲かるようにするには以下のような工夫が必要です。
- ターゲットを絞って書く
- わかりやすい表現を心がける
- 誰かに役に立つ内容を執筆する
読みたいと思ってもらうためには、内容を工夫しましょう。
KDPセレクトに登録してKindle Unlimitedで読んでもらえるようにするのも一つの方法です。
Q:Kindle出版はWordやPDFに対応している?
Kindle出版はWordやPDFにも対応しています。
Kindle出版で対応可能なファイル形式を確認しましょう。
推奨されている ファイル形式 |
・Microsoft Word ・Kindle Package Format ・EPUB ・MOBI |
---|---|
出版可能な ファイル形式 |
・HTML ・リッチ テキスト フォーマット ・プレーン テキスト ・Adobe PDF |
推奨されている形式と対応可能な形式は上記の通りですが、他に利用できる形式もあります。
参考:KDP│電子書籍の原稿ではどのようなファイル形式がサポートされていますか?
Kindleで電子書籍を出版するなら方法を確認してから執筆しよう
Kindleで電子書籍を出版するなら、スムーズに進めるためにも記事を執筆する前に方法を確認してから執筆しましょう。
個人で出版したい場合、Kindleなら出版社の許可も不要で、すべての作業を自分でやれば無料での出版も可能です。
紙の本で出版するよりも印税が高いメリットもあるため、自分で本を出したい場合はぜひKindleでの出版を検討しましょう。
出版だけではなく電子書籍を読むことにも興味がある方には、おすすめの電子書籍ストアを紹介しているこちらの記事もおすすめです。
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それでは素敵な電子書籍ライフを!
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