【文学界の巨匠】村上春樹のおすすめ小説 ベスト5作品をご紹介!長編・短編・映像化作品など

村上春樹の作品を読んだことはありますか?

村上春樹の作品には実写映画化されたものもあり、新作が本屋に並ぶと、瞬く間に売れていくなど、常に話題になっています。

特に最近では、村上春樹の小説が原作となっている映画『ドライブ・マイ・カー』が、第94回米国アカデミー賞作品賞含む4部門にノミネートされるなど、世界的に評価を集めたことも記憶に新しいですよね。

 

そこで今回の記事では、村上春樹の作品一覧や代表作を紹介していきます。

またランキング形式で、オススメ作品ベスト5(※あくまで私個人の好みです)も紹介していきます!

村上春樹の作品は抽象的で難解な物語も多いことには多いのですが、物語やその真意をたとえ掴めなくとも、綴られている文章のリズム感独特の比喩味わい深いセリフを読んでいるだけでも楽しめるのが魅力です。

また、本メディアで調査した村上春樹さん作品に関するアンケートクラウドワークス「村上春樹さんの作品のアンケート」から、読者の口コミを拾って掲載しています。実際に村上春樹さんの作品を読んだ人の声も参考に、読みたい作品を探してみてください!

 

そして、村上春樹作品を読むための電子書籍ストアは、Kindleがおすすめ。小説の品揃えや読みやすさは電子書籍の中でも群を抜いています👉  Kindleで村上春樹作品を見る

 

それではまず、村上春樹さんのプロフィールから紹介していきたいと思います。

 

小説家・村上春樹とは(プロフィール)

村上春樹

村上春樹(1949年1月12日)

 

日本の小説家であり、アメリカ文学翻訳家でもあります。

京都府京都市伏見区に生まれ、兵庫県西宮市・芦屋市にて育ちます。 

 大学は早稲田大学。

在学中にジャズ喫茶を開いた経験から、彼の小説にはジャズが多く登場します。

 

 1979年、『風の歌を聴け』で群像新人文学賞を受賞しデビューし、その後、数多くの作品を世に送り出します。

代表的なのは、1987年発表の『ノルウェイの森』。

この作品は2009年時点で上下巻1000万部を売るベストセラーとなり、村上春樹ブームのきっかけとなります。

 日本国外でも絶大なる人気を得ており、2006年、フランツ・カフカ賞をアジア圏で初めて受賞。日本の作家の中でノーベル文学賞の最有力候補と見なされています。

 

 

村上春樹小説の選び方

村上春樹 小説

村上春樹の作品はバリエーションに非常に富んでいます。

作品の長さも短編小説数のものもあれば、複数冊にもわたる長編作品ものもあり、ジャンルについても小説やエッセイ、ノンフィクション、翻訳作品、絵本まで書かれていて、とても幅広いです。

 

ここでは、どのような観点で村上春樹小説を選べばいいかを説明します。

選ぶ基準としては、

  1. 映像化されている作品から選ぶ
  2. 作品の長さ(長編・短編)から選ぶ
  3. 文学賞を受賞した作品から選ぶ
  4. エッセイ・紀行文の作品から選ぶ

が挙げられます。

村上春樹の作品は短編・長編ともにたくさんの作品がありますので、下記を目安に読む作品を選ぶようにしましょう。

普段小説を読まない方

読書初心者の方

・短編集

・エッセイ他

・映像化作品

普段よく読書をされる方

時間をかけて本を読みたい方

・長編作品

・文学賞受賞作品

あまり普段読書をしない方にとっては、いきなり長編作品に挑戦すると挫折してしまう可能性があるので、まずは短編集や映画の原作などから読み、慣れてきたら長編作品に挑戦するなど、読む順番については自分の読書経験と相談しながら工夫するようにしましょう。

村上春樹の作品は大人の方はもちろん、中学生や高校生にとっても、本を読んで話を理解するトレーニングになりますし、そもそも話が面白いということもあり、是非読んでもらいたいです!

 

村上春樹作品の選び方①:映像化されている作品で選ぶ

村上春樹の作品はや映画化された作品がたくさんあります。

これまで見た映画作品の中にも、村上春樹作品が原作となっているものが混ざっているかも知れません。

映画で見た時と小説を読んだ時とでは、結構印象が変わることもあるので、この違いを比較して楽しむことも出来ますね。

映画化された作品の原作小説は下記の通りです👇

  • 『納屋を焼く』(改題『バーニング』):イ・チャンドン 監督作品/ユ・アインほか出演
  • 『風の歌を聴け』:大森一樹 監督作品/小林薫 ほか出演
  • 『ハナレイ・ベイ』:松永大司 監督作品/吉田羊、佐野玲於、村上虹郎 ほか出演
  • 『ノルウェイの森』:トラン・アン・ユン 監督作品/松山ケンイチ、菊地凛子 ほか出演
  • 『神の子どもたちはみな踊る』:ロバート・ログバル 監督作品/ジョアン・チェン ほか出演
  • 『トニー滝谷』(短編集『レキシントンの幽霊』収録):市川準 監督作品/イッセー尾形、宮沢りえ ほか出演
  • 『100%の女の子』 / 『パン屋襲撃』:山川直人 監督作品/室井滋 ほか出演
  • 『ドライブ・マイ・カー』(短編集『女のいない男たち』収録):濱口竜介 監督作品/西島秀俊、三浦透子 ほか出演

村上春樹作品は海外で映画化された作品も多く、彼の世界的な評価の高さが伺えますよね。

映画を観たものの原作はまだ見ていない!という方は、ぜひ原作小説をチェックしてみてください!

 

村上春樹作品の選び方②:長さ(短編・長編)で選ぶ

村上春樹作品は長編ものもあれば、短編ものもあります。

長編作品で長い作品はとことん長いですが、短い作品はサクッと読めます。

小説を読み慣れていない初心者の方は、短編小説から読んでみると良いかもしれません。以下、村上春樹の短編小説をピックアップしてみました。ぜひ興味の惹かれる作品を探してみてください。

  • 『一人称単数』
  • 『女のいない男たち』
  • 『東京奇譚集』
  • 『神の子どもたちはみな踊る』
  • 『夜のくもざる』
  • 『レキシントンの幽霊』
  • 『TVピープル』
  • 『ランゲルハンス島の午後』
  • 『螢・納屋を焼く・その他の短編』
  • 『パン屋再襲撃』
  • 『回転木馬のデッド・ヒート』
  • 『中国行きのスロウ・ボート』
  • 『象工場のハッピーエンド』
  • 『カンガルー日和』

 

一方、小説を読みなれている方で、どっぷりと村上ワールドにつかりたいという方は、長編作品に挑戦してみても良いかも知れません。以下、村上春樹の長編小説をリストアップしてみました。いずれも上下巻以上の巻数がある長編の物語です。

  • 『1Q84』(Book1・Book2・Book3)
  • 『騎士団長殺し』(第1部・第2部)
  • 『ねじまき島クロニクル』(第1部・第2部・第3部)
  • 『海辺のカフカ』(上巻・下巻)
  • 『ダンス・ダンス・ダンス』(上巻・下巻)
  • 『ノルウェイの森』(上巻・下巻)

などは長編作品になので、村上ワールドにどっぷりハマりたい人は是非!

 

村上春樹作品の選び方③:文学賞を受賞した作品から選ぶ

有名な文学賞をいくつも受賞したり、ノミネートされたりしているので、文学賞を受賞した作品や、候補にノミネートされた作品を中心に読んでみるのもアリですね。

例えば、村上春樹のデビュー作『風の歌を聴け』

この作品は講談社が発行する文芸誌『群像』が公募し選出した「群像新人文学賞」で、1979年に1,148作品の中から受賞しました。

他にも、全国の書店員の投票によって選出される「本屋大賞」で見事大賞に輝いた『1Q84』

書店員が、本当にオススメしたい作品を投票するため、本屋大賞に輝いた作品は本当に面白い作品であることが多いです。

このように、受賞作から村上春樹作品を選ぶのもありですね。

以下、村上春樹作品の中で受賞歴のある作品をリストアップしてみました。

  • 『風の歌を聴け』:第22回群像新人文学賞 受賞
  • 『羊をめぐる冒険』:第4回野間文芸新人賞 受賞
  • 『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』:第21回谷崎潤一郎賞 受賞
  • 『ねじまき鳥クロニクル』:第47回読売文学賞 受賞
  • 『約束された場所で』:第2回桑原武夫学芸賞 受賞
  • 『海辺のカフカ』(英訳版『Kafka on the Shore 』):フランツ・カフカ賞、フランク・オコナー国際短編賞
  • 『1Q84』:毎日出版文化賞 受賞・本屋大賞

他、多数。

また芥川賞の候補にも2回ノミネートされています。候補作は『風の歌を聴け』『1973年のピンボール』

これら文学賞の作品から選ぶのもおすすめです!

 

村上春樹作品の選び方④:エッセイ・紀行文から選ぶ

村上春樹さんと言えば、小説のイメージが強いですが、エッセイ・紀行文・ノンフィクションなど、さまざまな小説以外のジャンルも数多く発表しています。

物語を通して村上春樹さんの世界に触れるのではなく、村上春樹さん本人の思考の過程に直接触れるような、新しい楽しみ方ができるため、小説を一通り読んだという方にもおすすめです。

もちろん、小説を読むのが苦手…という方でも、エッセイや紀行文であれば気楽に読めるものが多いので、楽しめるかも知れません。村上春樹さんから世界はどのように映っているのか、面白い発見に満ちている作品ばかりです。

以下、村上春樹作品の中でエッセイ・紀行文・ノンフィクションのジャンルを幾つかリストアップしてみました。

  • 『村上朝日堂』(エッセイ集)
  • 『映画をめぐる冒険』(エッセイ集)
  • 『ポートレイト・イン・ジャズ』(エッセイ集)
  • 『村上ラヂオ』(エッセイ集)
  • 『走ることについて語るときに僕の語ること』(エッセイ集)
  • 『村上ソングズ』(エッセイ集)
  • 『職業としての小説家』(エッセイ集)
  • 『猫を棄てる 父親について語るとき』(エッセイ集)
  • 『村上T 僕の愛したTシャツたち』(エッセイ集)
  • 『古くて素敵なクラシック・レコードたち』(エッセイ集)
  • 『遠い太鼓』(紀行文)
  • 『雨天炎天』(紀行文)
  • 『もし僕らのことばがウィスキーであったなら』(紀行文)
  • 『東京するめクラブ 地球のはぐれ方』(紀行文)
  • 『ラオスにいったい何があるというんですか?』(紀行文)
  • 『アンダーグラウンド』(ノンフィクション)
  • 『約束された場所で―underground 2』(ノンフィクション)

他、多数。

これらエッセイ等から村上春樹さんの世界に入ってみるのも、おすすめですよ!

 

【文学界の巨匠】村上春樹のおすすめ小説 ベスト5

村上春樹 オススメ

それでは、村上春樹のおすすめ小説をご紹介します!

※あくまで私の個人的な独断であり偏見であり、自己満足ですので…!

 

第5位:『海辺のカフカ』(2002年 新潮社)

「ニューヨーク・タイムズ」紙で年間の「ベストブック10冊」及び世界幻想文学大賞!

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参照:https://www.amazon.co.jp/海辺のカフカ-上-新潮文庫-村上-春樹/dp/4101001545

 Kindleで『海辺のカフカ』を読む 

 

ページ数(単行本):(上)397ページ、(下)429ページ

 

内容紹介・あらすじ紹介

「君はこれから世界でいちばんタフな15歳の少年になる」――15歳の誕生日がやってきたとき、僕は家を出て遠くの知らない街に行き、小さな図書館の片隅で暮らすようになった。家を出るときに父の書斎から持ちだしたのは、現金だけじゃない。古いライター、折り畳み式のナイフ、ポケット・ライト、濃いスカイブルーのレヴォのサングラス。小さいころの姉と僕が二人並んでうつった写真……。

出典:「BOOK」データベースより

 

主人公、「僕」の名前は田村カフカという少年です。この「僕」は父に「お前はいずれ自分の母と姉と交わり、そして、父に手をかける」という呪いかけられてしまいます。その結果、その呪いから逃れる為に15才の誕生日に家出をするところから物語がスタートします。なんかもう、この時点で概念的ですよね。ただこの小説の魅力はその概念的な物語の他にも、爽やかな情景描写にあると思います。ずーっとまさしく海辺に立つ家のバルコニーで本を読んでいる感覚。ぜひに。

 

感想や口コミ

海辺のカフカの感想や口コミにはこのようなものがありました。

誰か大切な人を思いながらこの作品を読んでみましょう。

より感情移入して楽しめるかもしれません。

 

\総合書店トップクラスのクオリティ!! /

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第4位:『羊をめぐる冒険』(1982年 講談社)

 第4回(1982年) 野間文芸新人賞受賞! 

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参照:https://www.amazon.co.jp/羊をめぐる冒険-上-講談社文庫-村上-春樹/dp/4062749122

 Kindleで『羊をめぐる冒険』を読む 

 

ページ数(単行本):(上)268ページ (下)264ページ

 

内容・あらすじ紹介

1通の手紙から羊をめぐる冒険が始まった 消印は1978年5月――北海道発  あなたのことは今でも好きよ、という言葉を残して妻が出て行った。その後広告コピーの仕事を通して、耳専門のモデルをしている21歳の女性が新しいガール・フレンドとなった。北海道に渡ったらしい<鼠>の手紙から、ある日羊をめぐる冒険行が始まる。新しい文学の扉をひらいた村上春樹の代表作長編。

出典:「BOOK」データベースより

 

突然自分の前からいなくなってしまった妻を探す旅に出た主人公が、手がかりをたどっていくうちに「羊」をめぐる冒険へと発展していく物語です。僕が初めて村上春樹を読んだのもこの作品でした。羊男という謎の登場人物が物語の鍵となっていくのですが、その登場人物たちの唐突さや奇抜さ、そして抽象的で多義的なセリフの数々に、一気に村上春樹ワールドへと連れて行かれます。クライマックスに行くにつれてページをめくる手が早くなっていきます。果たして羊男が意味するものとは…?

 

感想や口コミ

 

「数字」はこの小説を読むキーワードになるかもしれません。

文字通り読むだけでなく、言外に込められた意味に想像をめぐらせて楽しむと面白いです。

 

 

第3位:『1Q84』(2009年 新潮社)

 毎日出版文化賞受賞作!「平成の30冊 第1位」! 

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 参照:https://www.amazon.co.jp/1Q84-BOOK1-3-全6巻-完結セット-新潮文庫/dp/B00871PYUK/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1517229471&sr=1-1&keywords=1Q84

 Amazonで『1Q84』を読む 

 

ページ数(単行本):

(BOOK1)554ぺージ(BOOK2)501ページ (BOOK3): 602ページ

 

内容・あらすじ紹介

「こうであったかもしれない」過去が、その暗い鏡に浮かび上がらせるのは、「そうではなかったかもしれない」現在の姿だ。書き下ろし長編小説。

出典:「BOOK」データベースより

 

↑内容紹介までとことん概念的。笑

ですが、村上春樹作品の中では、かなり読みやすい本だと思います!3冊分の文量がありましたが、どんどんはまり込むように読んでしまいました。「あれ、今のところ物語の意味するところもかなり追えてるぞ?」と。端的に言えば、パラレルワールドの話。「青豆」と「天吾」という2人の主人公の視点が交互に入れ替わりながら物語が展開していきます。10歳の時に出会って以来、いつしか離れ離れになっていた「青豆」と「天吾」が、再び「1Q84年の世界」 でめぐり逢えるのかどうか。2人の運命を繋げているものは何なのか…!?

 

感想や口コミ

現在3冊に渡る長編作品になっていますが、一度読み始めると没頭してしまうようです。

村上春樹の描く世界観にきっと引き込まれるでしょう。

 

 

第2位:『ノルウェイの森』(1987年 講談社)

 村上春樹的「100パーセントの恋愛小説」!

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参照:https://www.amazon.co.jp/ノルウェイの森-上-講談社文庫-村上-春樹/dp/4062748681

 Kindleで『ノルウェイの森』を読む 

 

ページ数:(上)304ページ (下)296ページ

 

内容・あらすじ紹介

限りない喪失と再生を描く究極の恋愛小説!  暗く重たい雨雲をくぐり抜け、飛行機がハンブルク空港に着陸すると、天井のスピーカーから小さな音でビートルズの『ノルウェイの森』が流れ出した。僕は1969年、もうすぐ20歳になろうとする秋のできごとを思い出し、激しく混乱し、動揺していた。限りない喪失と再生を描き新境地を拓いた長編小説。

出典:「BOOK」データベースより

 

2010年、松山ケンイチと菊地凛子で映画化もされた話題作であり、村上春樹と聞いて一番初めに思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。それほどに名作なわけですが、その理由は読んでいただけると分かります。直子という女性と出会い、恋をする主人公が、直子を含めた登場人物たちと交わす「会話」の一言一言に、どうしても惹かれるのです。それは、とてつもない愛情だったり、胸が締め付けられるような喪失感だったりを、身の回りのあらゆる自然を用いて表現している彼ら(つまりは村上春樹)のワードセンスが抜群だから。人生で読むべき一冊だと思います。

 

感想や口コミ

村上春樹が描く渾身のラブストーリーなのですが、読むたびに違う感想を抱ける、面白い作品です。

 

\総合書店トップクラスのクオリティ!! /

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第1位:『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』(1985年 新潮社)

 第21回(1985年) 谷崎潤一郎賞受賞! 

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参照:https://www.amazon.co.jp/世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド-上巻-新潮文庫-む-5-4/dp/410100157X/ref=pd_cp_14_3?_encoding=UTF8&psc=1&refRID=8BR3WCVDX2MYPSZGWJGB

 Amazonで『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』を読む 

 

ページ数:(上)480ページ (下)416ページ

 

内容・あらすじ紹介

高い壁に囲まれ、外界との接触がまるでない街で、そこに住む一角獣たちの頭骨から夢を読んで暮らす〈僕〉の物語、〔世界の終り〕。老科学者により意識の核に或る思考回路を組み込まれた〈私〉が、その回路に隠された秘密を巡って活躍する〔ハードボイルド・ワンダーランド〕。静寂な幻想世界と波瀾万丈の冒険活劇の二つの物語が同時進行して織りなす、村上春樹の不思議の国。

出典:「BOOK」データベースより

 

物語の設定が村上春樹作品の中でも、特に摩訶不思議で、ファンタジー要素の強い作品です。2つの別々の世界の物語が、徐々にシンクロしていく構成も、やはり村上春樹ならでは。展開のテンポが早く、異世界同士の出来事が絶妙に繋がりを持って見えてくる後半は、貪るようにして読んでしまいます。今自分はどこの世界に生きているのか、どこの世界が終わってしまうのか…読後感はまさに走りきった後のような疲労感と静かな余韻で満たされます。

 

感想や口コミ

話の起承転結や起伏、読むだけで想像をかきたてるような情景描写、素晴らしい作品です。

 

 

その他・村上春樹のおすすめ小説

村上春樹 その他の小説

上記でオススメした5作品以外にも面白い作品はたくさんあります。

ここでは上記以外の作品を紹介していきます。

 

『騎士団長殺し』(2017年 新潮社)

騎士団長殺し

ページ数:(第1部)512ページ (第2部)544ページ

 

内容・あらすじ紹介

1970年の夏、海辺の街に帰省した<僕>は、友人の<鼠>とビールを飲み、介抱した女の子と親しくなって、退屈な時を送る。2人それぞれの愛の屈託をさりげなく受けとめてやるうちに、<僕>の夏はものうく、ほろ苦く過ぎさっていく。青春の一片を乾いた軽快なタッチで捉えた出色のデビュー作。

出典:「BOOK」データベースより

 

去る妻、井戸、悟り系の少女等、村上春樹がこれまで他の作品の中で、構築し、練り上げてきたテーマが反復されていることも特徴的な作品です。

人の魂の奥の奥に重層低音のように流れる“物語”は、時代、人種、性別、宗教、文化を超えて通じているものがあるというのが村上春樹のスタンスで、その物語がさまざまに形をかえて表現され、共有され、現実の辛い出来事や、判断に迷う出来事に直面したときに、人の道しるべになる、そんな作品です。

 

感想や口コミ

日常の中に非日常を、非日常の中に日常を描くのが村上春樹作品の特徴でもあるのですが、騎士団長殺しにおいてもその特徴が活かされています。

 

 

『風の歌を聴け』(1979年 講談社)

風の歌を聴け

ページ数:201ページ

 

内容・あらすじ紹介

1970年の夏、海辺の街に帰省した<僕>は、友人の<鼠>とビールを飲み、介抱した女の子と親しくなって、退屈な時を送る。2人それぞれの愛の屈託をさりげなく受けとめてやるうちに、<僕>の夏はものうく、ほろ苦く過ぎさっていく。青春の一片を乾いた軽快なタッチで捉えた出色のデビュー作。

出典:「BOOK」データベースより

 

村上春樹のデビュー作です。

村上春樹の有名な作品でいくと海辺のカフカやノルウェイの森などが挙げられますが、いかんせん長いので、初心者の方には不向きの作品かもしれません。

その点、こちらの作品は201ページとそこまで長くない作品なので、村上ワールドに初めて触れるにはオススメです。

 

感想や口コミ

短編の作品になるので、あまり読書に慣れていない方でも無理なく村上ワールドの入り込める点が良いですね。

 

 

『国境の南、太陽の西』(1992年 講談社)

国境の南、太陽の西

ページ数:302ページ

 

内容・あらすじ紹介

今の僕という存在に何らかの意味を見いだそうとするなら、僕は力の及ぶかぎりその作業を続けていかなくてはならないだろう――たぶん。「ジャズを流す上品なバー」を経営する、絵に描いたように幸せな僕の前にかつて好きだった女性が現われて――。日常に潜む不安をみずみずしく描く話題作、待望の文庫化。

出典:「BOOK」データベースより

 

バブル絶頂期の東京で上品なバーを経営し、美人な奥さんと家庭を作り、絵に描いたような幸せを謳歌する主人公。

突如、幼いころの主人公の初恋相手が現れて、気持ちが強く揺さぶられる…。

この主人公は、はたから見ると「ダメ男」であったりするのですが、このダメさ部分、人間の弱さ、というところに共感する部分があるかもしれません。

 

感想や口コミ

独特な会話表現や心理描写が特徴的な作品です。

また、この作品が人気作「ねじまき鳥クロニクル」の一部分である点も注目です。

両方の作品を読むと、共通点を見出すことができます!

 

 

『アフターダーク』(2004年 講談社)

アフターダーク

ページ数:294ページ

 

内容・あらすじ紹介

真夜中から空が白むまでのあいだ、どこかでひっそりと深淵が口を開ける。

「風の歌を聴け」から25年、さらに新しい小説世界に向かう村上春樹書下ろし長編小説

マリはカウンターに置いてあった店の紙マッチを手に取り、ジャンパーのポケットに入れる。そしてスツールから降りる。溝をトレースするレコード針。気怠く、官能的なエリントンの音楽。真夜中の音楽だ。

出典:「BOOK」データベースより

 

ひとつひとつの物語が関わっていないようで関わっている、特に結論が出るような物語ではないが、読み方次第で幾通りにも読むことができ、それを想像するのが楽しい作品です。

 

感想や口コミ

非常に難解な小説ではあります。

ただ、読む度に考える要素が見つかり、考える度に面白さが広がる作品になっているようです。

限られた登場人物や舞台で、暴力的な表現や大都市の闇が描かれています。

暗めな作風が好きな方にはもってこいです。

 

 

『スプートニクの恋人』(2001年 講談社)

スプートニクの恋人

ページ数:328ページ

 

内容・あらすじ紹介

この世の物とは思えない奇妙な恋の物語

22歳の春にすみれは生まれて初めて恋に落ちた。広大な平原をまっすぐ突き進む竜巻のような激しい恋だった。それは行く手のかたちあるものを残らずなぎ倒し、片端から空に巻き上げ、理不尽に引きちぎり、完膚なきまでに叩きつぶした。――そんなとても奇妙な、この世のものとは思えないラブ・ストーリー!!

出典:「BOOK」データベースより

 

かつて親しい友達や恋人であっても、二度と会うことのない人がいる。

そういう人のほうがむしろ多いもしれない。

人との出会いは、惑星の軌道が近くなったり離れたりするのと同じようなものなのかもしれない。

すみれのように心が自然と通じ合える関係の人が居ることは素敵なことで、でも、その人が突然いなくなってしまうのはすごくつらいこと。

「寂しさ」を感じてしまう作品である一方で、最後の結末は必見です!

 

感想や口コミ

現実的な要素とファンタジー的な要素が混ざった作品です。

心が通じ合える関係の人がいる一方で、突然別れの時が来てしまう、そんな切なさにきっと共感してもらえると思います!

 

 

『ねじまき鳥クロニクル』(1994年 新潮社)

ねじまき鳥クロニクル

ページ数:(第1部)308ページ (第2部)356ページ (第3部)492ページ

 

内容・あらすじ紹介

会社を辞めて日々家事を営む「僕」と、雑誌編集者として働く妻「クミコ」の結婚生活は、それなりに平穏に過ぎていた。しかし、飼っていた猫の失跡をきっかけにバランスが少しずつ狂い始め、ある日クミコは僕に何も言わずに姿を消してしまう。僕は奇妙な人々との邂逅を経ながら、やがてクミコの失踪の裏に、彼女の兄「綿谷ノボル」の存在があることを突き止めていく。

出典:Wikipediaより

 

実話と空想を絡めた壮大な長編、再読であるが改めて違う視点で読むことができた。

作者がノモンハン事件を気になり取材した事、モンゴル平原の日本とは違う夜明けを見た事、全く異質な話を一つの小説にするとはさすがの一言です!

 

感想や口コミ

村上春樹が表現するリアリズムと幻想的な要素がふんだんに取り入れられた作品です。

ノモンハン事件についても小説内で触れられており、壮大なストーリーに仕上がっています。

 

 

『神の子供たちは皆踊る』(2000年 新潮社)

神の子供たちはみな踊る

ページ数:208ページ

 

内容・あらすじ紹介

文芸誌『新潮』に「地震のあとで」という副題で連載されていた短編小説5編と書き下ろし短編1作の合計6編の連作短編小説集。

本書の登場人物は皆、1995年1月に発生した阪神・淡路大震災に間接的に関わっている。また村上は「解題」において、同年3月にオウム真理教が引き起こした地下鉄サリン事件との関連にも触れており、この短編集では以後の作品に出てくる「ある種の圧倒的な暴力」の片鱗を描いているという。

出典:Wikipediaより

 

阪神淡路大震災が発生した後で、全く関係のない6人の登場人物の身の上に降りかかった出来事を描いた短編集となっています。

一つ一つの作品がすっぱりと終わるので、苦もなく読み進めます。

震源地となった関西地方について思いを馳せながらも、黙々と日常生活を営み続けている登場人物たちの様子が村上春樹氏の紡ぎだす言葉で描写されている作品です。

 

感想や口コミ

阪神淡路大震災が起こった後に、無関係の6人がそれぞれの身に起こった出来事を表現している短編小説集です。

1人1人が無関係に思えながらも、ストーリーとして繋がっている、その繋がりの部分が本作品の面白さです。

 

 

『東京奇譚集』(2005年 新潮社)

東京奇譚集

ページ数:212ページ

 

内容・あらすじ紹介

肉親の失踪、理不尽な死別、名前の忘却……。大切なものを突然に奪われた人々が、都会の片隅で迷い込んだのは、偶然と驚きにみちた世界だった。孤独なピアノ調律師の心に兆した微かな光の行方を追う「偶然の旅人」。サーファーの息子を喪くした母の人生を描く「ハナレイ・ベイ」など、見慣れた世界の一瞬の盲点にかき消えたものたちの不可思議な運命を辿る5つの物語

出典:新潮社 公式HPより

 

短編でも「小説でしか表現し得ないこと」を味わわせてもらいました。

中でも 「ハナレイ・ベイ」に惹かれました。

村上春樹らしからぬ日本人らしい情緒的なストーリー。 

最後の「品川猿」は村上春樹らしい印象。

ラスト、主人公は残酷な事実の前に投げ出される。でも進むべきドアは開いている、そんな終わり方が好きです!

 

感想や口コミ

現実には起こらないであろう、ただ、もしかしたら現実で起こるかもしれない、そんな不可思議な出来事が魅力の作品です。

 

 

『パン屋を襲う』(2013年 新潮社)

パン屋を襲う

ページ数:77ページ

 

内容・あらすじ紹介

僕は二度、パン屋を襲撃した。一度めは包丁を体に隠して、二度めは散弾銃を車に載せて―。初期作品として名高い「パン屋襲撃」「パン屋再襲撃」が、時を経て甦る。ドイツ気鋭画家のイラストレーションと構成するヴィジュアル・ブック。

出典:「BOOK」データベースより

 

『パン屋を襲う』は、1970年代~80年代に村上春樹が執筆した『パン屋襲撃』と『パン屋再襲撃』が今の時代にリバイバルした作品です。

パン屋を襲う、というタイトルだけ見れば非常に暴力的で荒々しい表現で、実際に小説内では、飢えをしのぐためにパン屋を襲う、というストーリーになっています。

この作品の見どころは、そうした荒々しさの描写だけではなく、1970年代~80年代という時代がリアルに描かれている点です。

主人公は共産党員なのですが、当時の共産党員は極左思想と言われ、過激性が強く荒っぽい事件も起こしていたそうです。

マルクスやレーニンが提唱した共産主義にのっとり、「格差はなくすべきだ、平等であるべきだ」という考えのもと行動していた彼らは、「自分たちは食べることが出来なくて、パン屋が食べることができるなんて、あってはならない、平等であるべきだ」としてパン屋を襲撃する。

当時の歴史的な背景を感じながら楽しめる作品です。

 

感想や口コミ

「パン屋襲撃」「再びパン屋襲撃」の2作品に、面白いイラストをつけて再編集した作品になります。

77ページと非常に短いので、小説としての楽しみ方もしながら絵本としても楽しめる、面白い作品です。

 

 

村上春樹のおすすめ小説まとめ

村上春樹 おすすめ小説 まとめ

冒頭でも述べましたが、多少物語の概念的な部分が読み取れなくても、いいんです。

読書感想サイトを見ていても、「よくわからなかったー」の多いこと。笑

ご多分に漏れず、自分もその一人なのですが、それでも村上春樹の小説は読みたくなるんです。

各々、なんとなくこうだったのかな、と楽しむのもまた一興。

ぜひ、読んでみてください!

 

📖また、村上春樹の作品以外のオススメ作家はこちら👉 西加奈子さん今村夏子さん朝井リョウさん

 
 
読みたい小説は決まったけど、どの書店で買えばいいか分からない…!という方は、おすすめの電子書籍ストアをチェック👇

www.omaeha-warauna.com

 

それでは素敵な読書ライフを!

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