【演劇人必見!】演劇・戯曲に関する本30冊を徹底紹介!読んで学べるオススメ本を厳選!

皆さんは演劇をよく見ますか?

コロナ禍以来、未だ生でエンターテイメントを楽しむ機会がめっきり減ってしまった方も多いのではないでしょうか?だんだんと再開してはいるものの、特に俳優や演出家など、お仕事として演劇に関わっている方には非常に大変な時期だと思います。

しかし!こんな機会を利用して今まで読んでこなかった戯曲や演劇本を読むにはぴったりです!

そこで今回は演劇関連の本をくまなくチェックしている私が、演劇人・演劇ファンにオススメの「演劇本30選」を一挙に紹介してきます!

演技の勉強としても、知識や教養を蓄える意味でも役に立つと思うので是非参考にしてみてくださいね!

 

はじめに・演劇本を3つに分類!

この記事では数ある演劇関連の本を大きく3つのカテゴリーに分けて、それぞれのオススメを紹介していきます!

  1. 演劇論編
  2. テクニック編
  3. 戯曲編

演劇関連の本の中には、誰にでもわかりやすく書かれたものから、非常な高度でマニアックのものまで様々です。

今回はレベルにかかわらず、演劇人・演劇ファンなら必見だろうという本を集めたので、よりわかりやすく初心者向け・中級者向け・上級者向けという表記も加えています。

全く読んだことがない、という方は是非、初心者向けの本から読んでみてくださいね。

それでは、おすすめの演劇本を一挙に紹介していきたいと思います!

 

「演劇論」をテーマにしたおすすめ演劇本(8選)

レクチャーの写真

ここでは「演劇とは?」という質問にシンプルに答えてくれる演劇論をテーマにした本たちを紹介します。

演劇論は国や文化、歴史、そして筆者によっても様々な考え方があり、それらを知るだけでもすばらしい知識になります。

今回は、演劇を広く捉えるために特にオススメの演劇論の本を8作品紹介していきます!

 

『演劇入門』平田オリザ(演劇論)

まずはこの一冊から!演劇を知るための必読書

『演劇入門』サムネイル
  • 難易度:★☆☆☆☆ (初級)
  • 所要時間:2時間程度(208ページ)
  • 値段:¥924(税抜)/ Kindle版 ¥770(税抜)

本の概要
若き天才が全て明かす「芝居作りの技術」。シェイクスピアはなぜ四世紀にわたって人気なのか? 日本で対話劇が成立しづらいのはなぜか? 戯曲の構造、演技・演出の方法を平易に解説する画期的演劇入門書! (講談社現代新書)
参照:https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000146883

おすすめポイント

日本の中で有名な劇作家・演出家、といえば一番に名前があがるであろうほど、演劇人たちに多くの影響を与えている平田オリザ。そんな彼の著書の中でも、『演劇入門』は演劇人がまず一番初めに手に取る本といっても過言ではありません。初版が1998年ですが、すでに25版を超える大人気作なんです。

戯曲の書き方、役者との向き合い方が書かれたハウツー本でありながら、現代演劇の根底を考え直す、まさに「演劇とは何か」を考え抜いている本です。

演劇は誰しもができる芸術、表現だと言う平田オリザさんのの基本的なメソッドが学べる一冊になっています。

演劇においてのリアルとは何なんのかを徹底的に考え、人間の心理に裏付けされている彼のメソッドは、日本の演劇界において非常に画期的だと思います。

演劇についてより深く理解したい、演劇に詳しくないけど演劇がなんで面白いのか知りたい、そんな方々に是非手にとってもらいたい本です。

   『演劇入門』を読む  

 

『蜷川幸雄の稽古場から』蜷川幸雄(演劇論)

世界のニナガワを知る!演劇を身近に感じられるインタビュー本

『蜷川幸雄の稽古場から』サムネイル
  • 難易度:★☆☆☆☆ (初級)
  • 所要時間:2.5時間程度(323ページ)
  • 値段:¥1,870(税込)

本の概要
「世界のニナガワ」と呼ばれ、国際的な活躍を続ける一方で、多くの若手を見出し、鍛え、育ててきた蜷川幸雄。その稽古場がどのようなものであったのか、何が起こっているのか。蜷川が見出し育てた若きスターたちへのインタビューから、日本を代表する演出家の秘密を解き明かす。巻末に蜷川自身へのインタビューも収録。
参照:https://www.poplar.co.jp/book/search/result/archive/8000657.html

おすすめポイント

日本の演劇界の巨匠とも言われる演出家、蜷川幸雄。この『蜷川幸雄の稽古場』は彼が起用してきた若手俳優たち10人のインタビューを文章に起こしたものです。彼の書いた著書や彼にまつわる本はいくつもありますが、この本を選んだのは、数々のエピソードから蜷川幸雄という演出家がどういう人だったのかがより生き生きと感じることができるからです。

蜷川幸雄がどうして演劇界で大きな力を持っていたのか、彼がどのように演劇と、そして人と向き合ってきたのかがよくわかる本です。読み応えがある上に、インタビュー形式の文章は演劇というものを身近に感じさせてくれます。

演劇人としても、蜷川幸雄もしくは俳優ファンとしても、読み物として非常に楽しめる一冊になっています。気軽に演劇に触れてみたい人にはぴったりの一冊です!

   『蜷川幸雄の稽古場から』を読む  

 

『文・堺雅人』堺雅人(演劇論)

大人気俳優・堺雅人を知れる!優しいタッチのエッセイ本

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  • 難易度:★☆☆☆☆ (初級)
  • 所要時間:2時間程度(328ページ)
  • 値段:¥715(税込)

本の概要
俳優、堺雅人が「演じる」ときに考えること。大きな話題を呼んだ演技派俳優の初エッセイ。堺雅人は鞄に原稿を書くための道具を入れて、持ち歩いている。撮影の合間に楽屋で、休みの日に喫茶店で、「演じる」ことについて考え、文章にするのだ。そうして生まれた54作の本格エッセイには、NHK大河ドラマ『新選組! 』や『篤姫』、映画『ジャージの二人』や『アフタースクール』など話題作への役者ならではの考察も含まれ、役者の思考や日常が垣間見える一冊。さらに、作家の宮尾登美子氏、長嶋有氏との対談やインタビュー、写真を掘り起こして収録。出演作品リスト付き。(文藝春秋)
参照:https://books.bunshun.jp/ud/book/num/1678387100000000000M

おすすめポイント

今人気絶好調の俳優、堺雅人さんご本人が書き下ろした演技についてのエッセイです。この本は演劇人、堺雅人ファンに限らず多くの人が絶賛しており、興味本位で読んでみたい!と言う方にこそおすすめしたい本だと言えます。彼の人柄がにじみ出る、飾らない優しい語り口で書かれていて、読み物としても非常に楽しめ、私もついつい時間を忘れて読み進めてしまいました!堺雅人さんの作品をチェックしている方は、何年かに渡って執筆されているので、当時の彼の考え方や役者としての向き合い方を知ることができるので、より楽しめます。そんなに難しい演劇本を読むのはハードルが高いけど、俳優という仕事や演技について知りたい!という方におすすめです。読んでいて優しい気持ちになる素敵な本ですよ。

   『文・堺雅人』を読む  

 

『俳優のノート』山崎努(演劇論)

俳優達の愛読書!役に向き合う大御所俳優の軌跡!

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  • 難易度:★★☆☆☆ (初〜中級)
  • 所要時間:3時間程度(373ページ)
  • 値段:¥803(税込)

本の概要
戯曲『リア王』を演ずるにあたり、山崎努が綴ったノートは八冊にも及ぶ。演技とは?死とは?血縁とは?身につけた技術に甘んじることなく、思索を深める日々。その果てに結実する、独創的な演劇論。いつしか我が身に流れ出す、リアの血潮―。凄烈なプロフェッショナル魂が万人の胸を打つ、日記文学の傑作。黒澤明、伊丹十三、岸田今日子ら、多彩な交遊とともに綴られる迫真の記録。(文藝春秋)
参照:https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784167838805

おすすめポイント

本書は俳優・山崎努さんが新国立劇場の公演『リア王』に出演するまでの日々の記録が凝縮された本です。「役を作る」というのはどういうことなのか。俳優という仕事が持つ、表には見えない努力や舞台に立つまでの姿勢を事細かに感じることができます。山崎さんの一つの役に向き合い続けて極めていく過程は、演劇を志している人にはもちろんのこと、どんな仕事をする上でも非常に刺激的です。私もこの本を始めて手に取った時は感銘を受けるとともに、背筋が伸びる思いでした。舞台の上に立つのはほんの2−3時間ですが、そこに至るまでの数ヶ月間がいかに濃密で繊細なのかがわかります。蒼井優さんや香川照之さんなどの実力派俳優たちが繰り返し読んでいる、という理由が非常によくわかります。これからもずっと読み続けていきたい一冊です!

   『俳優のノート』を読む  

 

『なにもない空間』ピーター・ブルック(演劇論)

演劇を語るには必要不可欠なバイブル本!

『なにもない空間』サムネイル
  • 難易度:★★★☆☆ (初〜中級)
  • 所要時間:2.5時間程度(223ページ)
  • 値段:¥1,980(税込)

本の概要
演劇(演出)の古典と言えばこれですか。「どこでもいい、なにもない空間ーーそれを指して、わたしは裸の舞台と呼ぼう。ひとりの人間がこのなにもない空間を歩いて横切る、もうひとりの人間がそれを見つめるーー演劇行為が成り立つためには、これだけで足りるはずだ。」冒頭のこの書き出しはあまりに有名。(晶文選書)
参照:https://aoyamabc.stores.jp/items/5eca1520bd21787f25e55f18

おすすめポイント

演劇の巨匠と言われているイギリスの演出家、ピーター・ブルックの著書。1968年に発表されて以来、演劇人のバイブルとして重宝されてきました。原題は「The Empty Space」。「なにもない空間」という訳にはしばし議論があります。彼の考えは、派手な舞台装置や衣装がなくても空間さえあれば演劇は成り立つというもの。

ブルックはこの本の中で、演劇というものはなぜ面白いのかを彼の「エンプティー・スペース」の考えから論じています。演劇に対する情熱が溢れており、演劇人なら誰でも刺激になる本です。また、演劇だけではなく様々なアートに対して応用が効く内容です。アートに関わる人ならマストな一冊ですよ!

   『なにもない空間』を読む  

 

『ドラマトゥルク―舞台芸術を進化/深化させる者』平田栄一朗(演劇論)

文化的相違を楽しみながら本格的に「ドラマトゥルク」を知れる!

『ドラマトゥルク―舞台芸術を進化/深化させる者』サムネイル
  • 難易度:★★★☆☆ (中級)
  • 所要時間:2時間程度(269ページ)
  • 値段:¥3,080(税込)

本の概要
近年日本でも「ドラマトゥルク」を名乗る者が現れている。しかし演劇・ダンス界の当事者すら、まだその本当の役割を知らない。ヨーロッパの舞台芸術制作の現場では必須の存在となっている彼らは演出家でも脚本家でも役者でもない特別な位置に立ち、作品にかかわる全ての者・事をつなぎあわせ、より高い次元に導くための知的で人間的な機能を果たしている。ドラマトゥルクの知られざる歴史と役割を初めて詳しく紹介し、日本における導入の可能性についても考える。(三元社)
参照:http://www.sangensha.co.jp/

おすすめポイント

西洋演劇界において「ドラマトゥルク 」とは非常に重要な役職ですが、日本では全く認知されていないどころか、その役職すらほぼ存在しません。筆者の平田栄一郎氏は慶應義塾大学の教授でもあり、ドイツ演劇を中心に舞台芸術の分析・研究を行なっています。参考文献が100近くもあり、日本に存在するドラマトゥルクの中でも一番本格的で濃い内容だと言えるでしょう。

本書は6つの章から成り、ドラマトゥルクの歴史から日本演劇への適応まで詳しく語られています。ドラマトゥルク自体の説明だけではなく、それを支える演劇制度や文化の違いに説明が割かれているので、初心者でも非常にわかりやすく楽しめる本です。

また、数多くの現役ドラマトゥルクの声が収録されている貴重な本でもあります。各劇場で実際に活動している彼らの声には具体性があり、舞台が出来上がるまでの過程を考える上でも非常に有益です。

パフォーマーだけでなく、演劇や舞台製作に関わる全てに人に読んでほしい一冊です!

   『ドラマトゥルク―舞台芸術を進化/深化させる者』を読む  

 

『遡行—変形していくための演劇論』岡田利規(演劇論)

日常を見直す前衛的な演出家・岡田利規の旅路を知れる!

『遡行 ---変形していくための演劇論』サムネイル
  • 難易度:★★★★☆ (中級)
  • 所要時間:3時間程度(256ページ)
  • 値段:¥2,090(税込)

本の概要
芸術の可能性に挑み続ける現代演劇の旗手・岡田利規(チェルフィッチュ)による初の書き下ろし演劇論。自らの遍歴を遡りながら、思考と関心に即して自分自身を変形していくための方法を探る。社会に対して芸術のできる〈働き〉とは何か?演劇の根源的な幹を抱きながら、新しい場所に辿り着くための方法を語る。(河出書房新社)
参照:http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309273143/

おすすめポイント

タイトル『遡行』の通り、チェルフィッチュという劇団の演出家、岡田氏の制作の歴史を当時(2013年)から1999年の原点へと遡りながら書かれた本です。まず時間を遡っていく本の構成が非常に面白く、読み進めるほどにルーツに近づくワクワク感があります。岡田氏の作品が1作ずつ書かれており、エッセイ風のありのままの彼の文体が非常に好評です。

チェルフィッチュとは、私たちが日常のなかで無意識に行ってしまう意味のない発言や身振りを意図的に舞台上に持ち込むという演出で話題となりました。身体と言葉の関係、身体とイメージの関係など、彼が何を考えて演出に至っているのかが非常にリアルに書かれています。

「芸術の機能とは何かという定義を書き換えること」をしたいと語る彼の頭の中を垣間見れる本です。

話が抽象的で見たことない人には理解がしにくい、というレビューもあったので中級にしました。

   『遡行—変形していくための演劇論』を読む  

 

『西洋演劇論アンソロジー』山下純照・西洋比較演劇研究会(演劇論)

西洋演劇論の辞書的存在!貴重なドキュメント集

『西洋演劇論アンソロジー』サムネイル
  • 難易度:★★★★★ (中〜上級)
  • 所要時間:6時間程度(608ページ)
  • 値段:¥3,980(税込)

本の概要
ギリシア悲劇から20世紀のパフォーマンス・スタディーズまで、西洋演劇の歴史を形作る70人の思想家、劇作家、演出家たちの演劇論のエッセンスを、解説と原典訳で構成。演劇史を証言する貴重なドキュメントを集めた一大アーカイヴの誕生!(月曜社)
参照:http://getsuyosha.jp/kikan/isbn9784865030822.html

おすすめポイント

「濃密」という言葉がぴったりの『西洋演劇論アンソロジー』は、西洋演劇を勉強する上では必須で抑えるべき演劇人たちやドキュメントが詰まっています。この本に記載されている人やドキュメントは演劇界でも、世界的でも非常に貴重とされていますが、実はなかなか日本語訳を見つけることはできません。その点だけでも、パフォーマンスや演劇に携わる方には強くオススメしたい本です。

この本は600ページを超える大作なので、一気読みはオススメしません。1日何人ぶんと決めて勉強したり、辞書のように調べたいとき、振り返りたいときに使うのがオススメです。西洋演劇の歴史を網羅したこの一冊は役立つこと間違いなしです!

   『西洋演劇論アンソロジー』を読む  

 

「テクニック」をテーマにしたおすすめ演劇本(9選)

劇場の写真

ここからは、特に演劇をする方々にオススメな、テクニックをテーマにしたオススメの演劇本を紹介します。

世界中には様々な演技のテクニック本がありますが、今回は特に日本で有名どころを集めてみました。

実は演劇のテクニックはビジネスや教育の場にも活用ができると最近人気です。人にわかりやすく自分の気持ちを伝えるためのメソッドを演劇から学ぶことができますよ!

 

『緊張をとる』伊藤丈恭(テクニック)

自己啓発本としても有名!変わりたいならまずはこの本から!

『緊張をとる』サムネイル
  • 難易度:★☆☆☆☆ (初級)
  • 所要時間:3時間程度(384ページ)
  • 値段:¥1,980(税込)/ Kindle版 ¥1,881(税込)

本の概要
なぜ俳優は舞台で緊張しないのか? 人前に強くなる! 日常で自分の殻を破る! “瞬間的緊張”と“慢性的緊張”をとるための演劇的アプローチを大公開。 「俺はこんなもんじゃない」と泣く主人公を元大物女優の“ママ”が指導する抱腹絶倒の物語でナビゲートします。 (芸術新聞社)
参照:http://www.gei-shin.co.jp/books/ISBN978-4-87586-447-9.html

おすすめポイント

テクニック本の一冊目として、自己啓発の分野でも非常に有名なこの本をまずは紹介したいと思います!筆者は(後に出てくる)スタニスラフスキー・メソッドを学ぶ、現役の演技講師で、この本も分類上は演劇書なのですが、演劇のしない一般の方にも強くオススメしたい本です。世界中で注目されている「マインドフルネス」の考え方とも一致するような内容です。

タイトルだけを見ると「緊張」だけにフォーカスが当たっているように見えますが、マインドの準備や心の働き方・もっていき方についても書かれています。演技テクニック本の視点から見ると、実は演技をするときに一番大事なことはリラックスをすることで、深いリラックスができるほどよい演技ができるとスタニスラフスキー・システムでは言われています。でもそのリラックスをすること、つまり緊張をとることが一番難しいんですよね。この本で劇的に変わった!という人は少なくありません。抽象的な表現が少なく、実践的な方法で書かれていることも評価の高い理由です!巻末にはエクササイズの解説ものっていますよ。サラリーマンの主人公とスナックのママの対話形式となっており、読み物としても楽しめます!(ただし、関西弁が苦手な人は注意です!)

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『魂の演技レッスン22』ステラ・アドラー(テクニック)

世界中でベストセラー!「表現すること」を見直す哲学書

『魂の演技レッスン22』サムネイル
  • 難易度:★☆☆☆☆ (初級)
  • 所要時間:3時間程度(350ページ)
  • 値段:¥2,530(税込)/ Kindle版 ¥1,832(税込)

本の概要
自らの名を冠した演劇学校を設立し、多くの優れた俳優を育てたステラ・アドラー。「演技とは“与えること”」「俳優は人生を重要なものとして認識することが仕事」などなど、俳優を目指している人だけでなく、広く一般の人々の生き方にも通ずる珠玉の言葉に溢れた、俳優の精神を鍛える22のエクササイズ。(フィルムアート社)
参照:http://filmart.co.jp/books/acting-movie/2009-4-13mon/

おすすめポイント

マーロン・ブランドやロバート・デ・ニーロなどの多くの優れた俳優を育てたステラ・アドラー。演技理論において世界的に多大な演技理論において世界的に多大な影響を与えたスタニスラフスキーから直接教えを受けたただ一人の米国人アーティストとして、氏のテクニックをアメリカに持ち帰り、自らのレッスンに組み込んで、いわゆる「メソッド」とは異なる独自のスタイルを確立しました。

ステラ・アドラーのことを「演劇の母」と崇拝する演劇人は沢山います。それほど大きな影響力を持ち、教えることに非常に優れており、本書はそのメソッドやエクササイズが書かれた貴重な一冊です。もはやハウツー本と言ってしまうのはもったいないぐらい、演技とは何かという問いから始まる哲学書です。そして演技という枠を飛び越えて、あらゆる意味での「表現すること」を見直させてくれます。演劇を志す方でなくても、人間性の豊かさについて考えさせられる一冊です!

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『演技と演出のレッスン 魅力的な俳優になるために』鴻上尚史(テクニック)

日本演劇界のバイブル!演じることが楽しくなる一冊!

『演技と演出のレッスン 魅力的な俳優になるために』サムネイル
  • 難易度:★★☆☆☆ (初級)
  • 所要時間:2.5時間程度(289ページ)
  • 値段:¥1,980(税込)

本の概要
俳優の仕事とはなんでしょう? 辞書にはよく「テレビ、映画、演劇などで劇中の人物を演じること」と書かれています。それでなんとなくわかった気持ちになりますが、では「演じること」とは何か? という次の疑問も浮かびます。著者による明快な定義は—-俳優の基本は「作者の言葉を観客や視聴者に伝えること」です。作者のイメージ通りに、もしくは演出家や映像ディレクターの要求の通りに「作者の言葉を伝える」には絶対に「技術」が必要になります。つまり、職業の本質が「技術職」であり、人気に関係するさまざなことが重要になるという意味において、俳優はプロのスポーツ選手や音楽家と同じだと言えるでしょう。 本書には、どうすればその「テクニック」が効率よく獲得できるか、誰にでもわかるように書かれています。演劇のトレーニングで世界標準とされる「スタニスラフスキー・システム」をベースに、著者ならではのノウハウ&エクササイズが満載。(白水社)
参照:https://www.hakusuisha.co.jp/book/b205889.html

おすすめポイント

演技に対しての見方が大きく変わる一冊、と言っても過言ではない本です。スタニスラフスキーが書いた本も後ほど紹介しますが、翻訳バージョンであることや、書いている内容が演技を理解した俳優向けであることから、理解するには時間がかかるという人が多いです。しかし、本書はスタニスラフスキー・システムを日本人にも非常にわかりやすく解説した名著だと思います!

演技とはなんぞや?に対する答えのヒントを沢山与えてくれるような本なので、演技に苦手意識を持っていたり、どうしたらもっと良い演技ができるのかわからないと悩んでいる方にはぴったりだと思います。また、この本にはエクササイズまで書いているので実践的に学びたい人には非常におすすめです。このレッスンに書いてある方法を実際に試して、声や体を使った表現方法をビジネスのプレゼンテーションに生かした、なんて声もありますよ!

   『演技と演出のレッスン 魅力的な俳優になるために』を読む  

 

『演技と演出』平田オリザ(テクニック)

人に感動を与えるとは?シンプルな課題を考え抜く良書!

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  • 難易度:★★★☆☆ (初〜中級)
  • 所要時間:2時間程度(224ページ)
  • 値段:¥821(税込)/ Kindle版 ¥770(税込)

本の概要
自分を把握し、他人とイメージを共有する、画期的な演劇入門! 現代演劇の旗手が公開する芝居のメカニズム台詞を自然体で話すコツとは? 俳優陣と演出家がイメージを共有する方法とは? 演劇的な感動はどうやって起きるか? 世界に広まる平田メソッドをわかりやすく説く。フィクションであるはずの、演技や演劇作品そのものを、人がリアルに感じる(あるいは感じない)のは、何に起因するのでしょうか? 本書は、演劇の問題を、演じる側の問題だけではなく、作品を観る側との関係から解き明かすことを目指したものです。演劇に関心のない方でも、コミュニケーションや言語に関心のある方に、ぜひ読んでいただきたいと思います。平田オリザ(講談社)
参照:https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000147183

おすすめポイント

最初にも紹介した平田オリザさんの有名な一冊です!演出家・劇作家でありながら、この本は自己流を紹介する本ではなく、視聴者や俳優の論理的な考察が書かれている本です。先ほど紹介した『演劇入門』と内容が重複する点も少しありますが、本書は実際に演劇に関わる人たち、表現に携わる人たち向けに書かれている印象があります。

この本は、演劇人だけでなく、コミュニケーション、教育、表現に関わる人なら読んでまちがいなしの本です!普段、人がどんな風に言葉を使い、話すのかという根本的な部分から分析・考察しているので、日常でも役立つ考え方が散りばめられています。改めてこうして言語化されたものを読むと、表現者として気づくことが沢山あります。「人に感動を与えるとはどういうことか。」シンプルですが難しい課題に立ち向かう良書です!

   『演技と演出』を読む  

 

『リアリズム演技』ボビー中西(テクニック)

体験談も豊富!演技を基礎から学び直せる貴重な一冊!

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  • 難易度:★★★☆☆ (中級)
  • 所要時間:3時間程度(336ページ)
  • 値段:¥2,200(税込)/ Kindle版 ¥1,760(税込)

本の概要
コント赤信号に弟子入り後、1990年単身渡米。数多のハリウッド俳優を輩出するネイバーフッド・プレイハウスに学び、米国のTV、映画に出演。全身全霊で役作り、芝居作りに取り組んできた著者が、本場仕込みの演技術を惜しみなく開陳する演技の教科書。「演技とはなにか」に始まり、トラスト練習、シアターゲーム、センソリーワーク、レペテション、オーディションの現場など、理論から実践まで、初心者にもわかりやすく伝授する。(而立書房)
参照:https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784880594064

おすすめポイント

ボビー中西さんは、演技コーチとしてNetflix「全裸監督」などの人気作にも携わっている演技講師です。アメリカで生まれたメソッドアクティング・リアリズム演劇のテクニックが散りばめられた本です。演技をする上での準備や大事なワークを、ご自身のNY体験談も含めて解説しているので非常に身近に感じることができます。

この本が特別だと思うのは、ボビー中西さんご自身がアクターズ・スタジオの日本人で2人目の生涯会員であり、リアリズム演劇を本場で学んで来ている彼が書いた本だからです。もしかしたら、今まで紹介してきた本を読んだ方、演技経験者の方にとってはすでに知っている内容ばかりかもしれません。しかしじっくり読んでみると、本場で学んできた彼の言葉と他とでは大きな違いがあるような気がします。初心者の方も、経験者の方も、基礎を見直す上で一度じっくりと向き合って損ない本です!

   『リアリズム演技』を読む  

 

『役を生きる演技レッスン_リスペクト・フォー・アクティング』ウタ・ハーゲン(テクニック)

アメリカで最も尊敬される演技教師が書いた!手元に置いて一生、読み続ける本

『役を生きる演技レッスン_リスペクト・フォー・アクティング』サムネイル
  • 難易度:★★★☆☆ (中級)
  • 所要時間:3時間程度(304ページ)
  • 値段:¥2,750(税込)

本の概要
アル・パチーノ、ジャック・レモン、ウーピー・ゴールドバーグなど、数々の名優を育ててきたウタ・ハーゲン。本書は、日本ではまだ紹介されていなかったウタ・ハーゲンによる演技法、ウタ・ハーゲンテクニックが、余すことなく紹介されています。プロ・アマ、映画・舞台など、経験やジャンルを問わず、俳優を目指す全ての方に向けられた、不滅のベストセラーです。「私はバラの花でも俳優でも、大きくヘルシーに育てたい。だから、演技もオーガニックにやりたいのです!」(フィルムアート社)
参照:http://filmart.co.jp/books/acting-movie/2010-5-10mon-2/

おすすめポイント

日本人の中で、NY演劇留学しました!というとまず名前が上がるのがHBスタジオという演技専門学校。そのHBスタジオを作ったのがウタ・ハーゲンです。ステラ・アドラーと並んで演技教師として非常に有名で、多くの俳優が尊敬しています。ハリー・ポッターシリーズのスネイプ先生でおなじみの俳優、アラン・リックマンがオススメする本でもあるそうです!

演じるのではなく、役そのものに近くことが必要で、その人物を知り尽くすまではセリフは言えない、というのが彼の考え方です。「どのように演じるか」ではなく「演じるために準備しておくべきこと」が解説されています。自分を認識するための10項目のエクササイズが紹介されており、実際に自分の体を動かしながら読むことで、彼の考えをより理解することができます。。演技が大げさだ、と言われたことがある人、逆に演劇は自然じゃないから苦手、なんて方には是非手に取ってほしい一冊です!

   『役を生きる演技レッスン』を読む  

 

『サンフォード・マイズナー・オン・アクティング』サンフォード・マイズナー(テクニック)

自分の体という楽器を知る!世界中で愛される必読のテクニック本!

『サンフォード・マイズナー・オン・アクティング』サムネイル
  • 難易度:★★★☆☆ (中級)
  • 所要時間:4時間程度(424ページ)
  • 値段:¥2,750(税込)

本の概要
サンフォード・マイズナーはスタニスラフスキー理論をアメリカに積極的に吸収実践し、多大な成果を挙げたグループ・シアターの創設者のひとりで、その後約40年余、ネイバーフッド・プレイハウス演劇学校で数多くのプロの俳優を育成してきた。俳優になるな。想像上の状況の中に存在するものに感応する人間になれ。演技しようとするな。演技は自然にされるんだ-アメリカ演劇界に数多くの逸材を送り出したサンディのネイバーフッド・プレイハウス演劇学校の1年間のドキュメント。(而立書房)
参照:https://honto.jp/netstore/pd-book_00850992.html

おすすめポイント

海外の演劇テクニックといえばマイズナー、というほど日本でも有名なのがマイズナー・テクニックです。俳優志望の方なら一度は必ず聞いたことのある名前だと思います。彼が教師として多くの俳優を育成してきたネイバーフッド・プレイハウス演劇学校でのドキュメントを元に、彼の演技に対する考え方や向き合い方、テクニックまで事細かに書かれています。授業の様子を書き起こす形で書かれているので、具体例に溢れ、かつ読みやすい印象です!

マイズナー・テクニックは「感情を考える」ことから離れ、自分の体を信じて本能に委ねる、衝動で行動することに重きを置いています。楽器演奏者が楽器のことをよく勉強するのと同じく、役者が学ぶべき道具は自分自身の体です。自分という楽器にとってどういう準備をすれば感情が自然に引き出される可能性があがるかを知り、状況や会話にただ反応していくことがまず第一のステップだと考えます。演技は目的ではなく結果だと考えるマイズナーの教えは、世界中の役者たちに愛され、学ばれています!

   『サンフォード・マイズナー・オン・アクティング』を読む  

 

『演出についての覚え書き 舞台に生命を吹き込むために』フランク・ハウザー(テクニック)

全米で大セラー!貴重な演劇演出の翻訳本!

『演出についての覚え書き 舞台に生命を吹き込むために』サムネイル
  • 難易度:★★★☆☆ (中級)
  • 所要時間:216ページ(2時間程度)
  • 値段:¥1,760(税込)

本の概要
全米で圧倒的支持!数々の名優を育て上げた巨匠がおくる至高の演出術。アレック・ギネス、イアン・マッケラン、リチャード・バートンらの名優を育てた、イギリス演劇界に君臨するフランク・ハウザーによる130のアドバイス。脚本への理解、キャスティング、俳優への接し方、ステージングの要素など、舞台を作る上で胸に刻んでおくべき「作法」と「極意」をスマートに指南します。そのメッセージは「一日中、演出家を演じなさい」「俳優の個性を知りなさい」など、簡潔でありながらも深い愛情に満ちており、舞台に関わるすべての者の精神的支柱となる一冊です。(フィルムアート社)
参照:http://filmart.co.jp/books/film_tech/2011-6-2thu-2/

おすすめポイント

演劇の演出に関する翻訳本は日本では非常に少ない中、本作品は欧米でも大人気という貴重な一冊です。演劇はチームで作り上げるものだという視点と、独りよがりになっていないかという問いを読むたびに与えてくれるような一冊です。

ぱっと手に取ってみると、いかにも難しそうな演劇本では一切なく、短くシンプル、簡潔明瞭に書かれています。1ページにつき1テーマ(アドバイス)が書かれており、具体例にも富んでいるのですごく読みやすい本です。専門的であるという点から中級にしましたが、演技や演出を勉強している人にとっては決して難しい本ではありません!

   『演出についての覚え書き』を読む  

 

『俳優の仕事』コンスタンチン・スタニスラフスキー(テクニック)

現代演劇の根底ここにあり。

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  • 難易度:★★★★★ (上級)
  • 所要時間:7時間程度(537ページ)
  • 値段:¥6,380(税込)

本の概要
俳優をめざすあなたへ
半世紀をこえて支持されるロングセラー、山田肇訳『俳優修業』の完訳版がついに刊行。紋切型にまみれた「形で示す」演技を喝破し、俳優の有機的な自然とその潜在意識によってのみ創造される演技=「役を生きる」芸術を提唱した名優スタニスラフスキー。彼が作り上げた俳優教育法<システム>の全貌が明らかになる。アメリカ版を底本とする重訳であった山田訳に対し、本書はオリジナル・ロシア語版著作集からの初めての日本語訳です。山田訳未収録のエピソード多数。同じく割愛されていた原註、貴重な草稿も訳出した充実の決定版。(未来社)
参照:http://www.miraisha.co.jp/np/isbn/9784624700904

おすすめポイント

世界一有名な俳優指導者、スタニスラフスキー。ハリウッド映画を変えたとも言われているメソッド演技の生みの親でもあります。その彼自身が書いた最高の演技書です。これまでに紹介したテクニック本の多くの作者達がスタニスラフスキーの元で学んだり、直接的ではなくても大きな影響を受けています。それほど彼のメソッドが「基礎」であるということです!「役を生きる」ための演技を提唱したというのが良くある歌い文句ですが、その真髄を知りたければ、ぜひこの本を読むことをオススメします。

正直、内容は非常に濃い分難しくもあります。一度読んだだけではピンと来なかったり、良く分からないところもあって当然です。翻訳に関しても用語の解説が非常に厄介で、日本語自体が難しいので、読みこむには時間がかかる本だと思います。しかしそれこそがスタニスラフスキー・メソッド、彼の哲学を深く学ぶということ!演技を実践的に勉強しながら、何度も読み返すことで理解が深まります。演技を生業としている方にとっては、いつ立ち返っても学びのある、最高のバイブルになること間違いなしです!

   『俳優の仕事』を読む  

 

「戯曲」をテーマにしたおすすめ演劇本(13選)

戯曲の写真

さてここからは、オススメの戯曲を紹介します!

世の中には沢山の名作と言われる戯曲があるので非常に悩みましたが、今回は厳選して13冊をご紹介します。有名どころを抑えたラインナップにしたので、演劇に詳しい方は見たことがある作品も多いかもしれません!しかし文字で読んでみるのもまた違った印象になることと思います。

ギリシャ神話から日本の作品まで、知っていて損なしの戯曲ですよ!戯曲を読むのは慣れるまで時間がかかるかもしれませんが、ぜひ観劇の前などに読んでみてくださいね。このセクションでは、難易度順ではなく時代順に紹介していきます。

 

『オイディプス王』ソフォクレス(戯曲)

ギリシャ悲劇の最高傑作!世界中に影響を与えた名作

『オイディプス王』サムネイル
  • 初演:紀元前427年頃(ギリシャ)
  • 難易度:★★★★★ (上級)
  • 所要時間:2時間程度(138ページ)
  • 値段:¥814(税込)/ Kindle版 ¥814(税込)

本の概要
「母親と交わり、実の父親を殺す」という呪いから逃れ、故国を捨てたオイディプス。英雄として迎えられたテーバイ国で彼を待っていたのは、より過酷な運命だった。「エディプス・コンプレックス」のもとになり、全世界で読み継がれ、上演されつづけるギリシャ悲劇の最高傑作!(光文社)
参照:https://www.kotensinyaku.jp/books/book259/

おすすめポイント

ソフォクレスは古代ギリシャの三大悲劇詩人の一人で、生涯120を超える悲劇を書いたと言われています。演劇人にとって、ギリシャ神話は避けて通れない演目です。その中でもこのオイディプス王は最高傑作だと言われるほどで、今でも全世界で読み継がれており、日本でも何度か上映されています。全ての演劇の元、原点と言っても過言ではありません。

多くの海外戯曲は英語訳のものを日本語に翻訳されているケースが多いのですが、この本は翻訳の河合祥一郎さんがギリシャ語原典にもあったとのことです。ただ翻訳しているのではなく、解釈訳なので非常に読みやすくなっています。解説もすばらしいく、作品の解説はもちろんのこと、日本語訳にたどり着くまでの過程も記されています。

2500年も前に書かれた名作、そこに描かれる人々を是非楽しんでください!

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『ハムレット』ウィリアム・シェイクスピア(戯曲)

シェイクスピアの四大悲劇の一つ。不朽の名作を新訳で読む!

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  • 初演:1609年
  • 難易度:★★★★☆ (中〜上級)
  • 所要時間:3時間程度(312ページ)
  • 値段:¥814(税込)/ Kindle版 ¥814

本の概要
デンマーク王子ハムレットは、父王を亡くした。王位には今や王の弟であるクローディアスがつき、その妻にはハムレットの母であるガートルードが収まっている。こうした現実を前に憂いに沈む王子ハムレットは、従臣から、父の亡霊が夜な夜なエルシノアの城壁に現われるという噂を聞く。噂を確かめに向かい、果たして父の亡霊に出会ったハムレットは、実は父を毒殺したのはクローディアスだったと告げられるのだった……。父の亡霊に導かれたハムレットは、殺人を共謀したクローディアスとガートルードへの復讐をとげるため、気の触れたふりをしてその時をうかがうが……。(角川文庫)
参照:https://www.kotensinyaku.jp/books/book259/

おすすめポイント

「生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ――」このセリフはあまりにも有名だと思います。ハムレットの迷い、恐れ、うぬぼれ、葛藤は初演から400年たった現代の私たちでも深く共感できるものであり、それこそがシェイクスピアの素晴らしさです。シェイクスピアの四大悲劇はこの他に『オセロー』『リア王』『マクベス』と名作が並びますが、まずは世界中の誰もが一度は読んだことがあるであろう『ハムレット』をオススメします。

翻訳を勤めたのは河合祥一朗。現代日本におけるシェイクスピア研究の第一人者とされており、正確かつ格調高く言葉つかいがシェイクスピアの翻訳にぴったりです。歴史や文化の違いを補足した上での新訳なので非常に読みやすくなっています。

シェイクスピアの喜劇『お気に召すまま』『テンペスト』なども非常にオススメですよ!シェイクスピアは物語を把握しておくだけでも、教養として十分役に立ちます。是非挑戦してみてくださいね!

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『人間嫌い』モリエール(戯曲)

喜劇と悲劇は紙一重!必ず読むべきフランス文学!

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  • 初演:1666年初演(フランス)
  • 難易度:★★★☆☆ (中級)
  • 所要時間:2時間程度(161ページ)
  • 値段:¥473(税込)

本の概要
主人公のアルセストは世間知らずの純真な青年貴族であり、虚偽に満ちた社交界に激しい憤りさえいだいているが、皮肉にも彼は社交界の悪風に染まったコケットな未亡人、セリメーヌを恋してしまう――。誠実であろうとするがゆえに俗世間との調和を失い、恋にも破れて人間ぎらいになってゆくアルセストの悲劇を、涙と笑いの中に描いた、作者の性格喜劇の随一とされる傑作。(新潮社)
参照:https://www.shinchosha.co.jp/book/205901/

おすすめポイント

「人間嫌い」はフランスの大喜劇作家、モリエールの代表作で、文学・演劇を勉強している人たちは知らない人がいないほど偉大な劇作家。必ず読むべきフランス文学としても有名です。

フランスの当時の社交界を皮肉に表現しており、純粋な主人公がその現実を目の当たりにして次第に人間嫌いになっていくというストーリーです。モリエールは喜劇作家として有名ですが、喜劇なのか?悲劇なのか?という議論がよく上がります。「喜劇と悲劇は紙一重」という言葉を聞いたことがある方もいると思いますが、それを最初に作り出したのはモリエールだと言われているんです!

何百年も前のフランスのお話ですが思わず「あーーーこういう人いるよね」と現代の日本人の皆さんでも共感できると思います。何百年経っても人間は変わらないんだなと感じる部分も多いと思います。演出や俳優によっても解釈の仕方が変わりそうな作品なので、まずは文字で読んでみて、皆さん自身がどう感じるかを楽しんでください!

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『人形の家』ヘンリック・イプセン(テクニック)

新たな時代の女性像を示したリアリズム演劇の代表作!

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  • 初演:1879年初演(ノルウェー)
  • 難易度:★☆☆☆☆ (初級)
  • 所要時間:2時間程度(145ページ)
  • 値段:¥440(税込)/ Kindle版 ¥396(税込)

本の概要
小鳥のように愛され、平和な生活を送っている弁護士の妻ノラには秘密があった。夫が病気の時、父親の署名を偽造して借金をしたのだ。秘密を知った夫は社会的に葬られることを恐れ、ノラをののしる。事件は解決し、夫は再びノラの意を迎えようとするが、人形のように生きるより人間としていきたいと願うノラは三人の子供も捨てて家を出る。近代劇確立の礎石といわれる社会劇の傑作。(新潮社)
参照:https://www.shinchosha.co.jp/book/209601/

おすすめポイント

「近代演劇の父」とも呼ばれるイプセンは、ノルウェーの劇作家です。シェイクスピア以後にもっとも世界で盛んに上演されているとも言われており、演劇界ではマストで押さえておくべき人物です。彼の代表作は多々ありますが、「人形の家」が一番有名かつ読みやすい作品です!

ビクトリア朝時代のイギリスでは、女性は夫に尽くして家事・育児に専念するのが良いという社会規範がありました。この作品ではその時代の社会の女性に対する目や、偏見が描かれつつ、それに反抗する形で成長していく主人公ノーラの姿が描かれています。ノーラのような女性像は当時の人々にとって非常にスキャンダラスだったこと思います。日常の一部を切り取って演劇にしているのが特徴であるリアリズム演劇の代表作。演劇人は必読ですよ!

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『かもめ』アントン・チェーホフ(戯曲)

世界中の演出家がチャレンジしたい、世界中で愛される不朽の名作!

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  • 初演:1896年初演(ロシア)
  • 難易度:★★★★☆ (中〜上級)
  • 所要時間:1時間半程度(90ページ)
  • 値段:¥440(税込)/ Kindle版 ¥440(税込)

本の概要
19世紀末ロシアを舞台に描かれる作家志望の男と女優を夢見る女の恋。35歳のチェーホフが“恋だらけの物語”として構想した戯曲は、様々な演出家や時代によって形を変え、100年以上の時を経てなお、世界各地で愛され続けている。「人生の本質を見る真の繊細なまなざしを獲得した」と評された演劇史上不朽の名作が今、現代を生きる人々のための瑞々しい名訳となって甦る。(集英社)
参照:https://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?isbn=978-4-08-760651-5

おすすめポイント

誰もが知る不朽の名作といえばまずはこれがあがるであろうという作品です。後世の演劇に多大なる影響を与えたロシア人劇作家チェーホフが書いた「かもめ」。実は初演当初は全く評価されていなかったらしいのですが、今では世界中の多くの演出家が一度は演出してみたいと思うほど愛され続けている作品です。チェーホフはこの作品を喜劇として書きましたが、喜劇なのか悲劇なのかは、読者の中でよく議論になっています。

読めば読むほど理解ができ、味がわかるような作品です。チェーホフの描く人間たちは非常に繊細で美しく、その中の複雑な人間関係が特徴的でおもしろくもあるのですが、初めて戯曲に触れるという方は多少混乱するかもしれません。そんな方は、まず映画をみてみるのもオススメです。2018年公開、マイケル・メイヤー監督の『かもめ(The Seagull)』をチェックしてみてくださいね!

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『肝っ玉おっ母とその子供たち』ブレヒト(戯曲)

ドイツで生まれた反戦劇。ブレヒトの叙事的演劇を理解できる!

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  • 初演:1941年初演(ドイツ)
  • 難易度:★★★★★ (上級)
  • 所要時間:2時間半程度(253ページ)
  • 値段:¥770(税込)

本の概要
「叙事的演劇」を唱え,「異化効果」など数々の実験的な手法を取り入れ,演劇の革新を精力的に推進したドイツの劇作家・詩人ブレヒト(1898―1956).ブレヒトの数ある戯曲の中でも『三文オペラ』と並んで最もポピュラーで人気のあるこの作品は,三十年戦争を背景にしながら,「肝っ玉おっ母」と呼ばれる一庶民の目線で戦争を捉えた反戦劇である。(岩波書店)
参照:https://www.iwanami.co.jp/book/b247786.html

おすすめポイント

演劇や文学に日頃から親しんでいないとなかなかその名前を聞くことのないドイツ人劇作家ブレヒトですが、実は演劇や芸術の歴史上では非常に重要な人物です。「叙事的演劇」というジャンルを作り上げ、きらびやかな芸術とは違って、戦争や社会問題を直接的に時にショッキングに観客に訴えかける演劇を数多く生み出してきました。

この作品では、戦時中を生き抜くために戦争に飛び込み生活費を稼ぎ、子供たちを育てる「肝っ玉おっ母」。子供たちを戦争で失いその醜さを味わっているにも関わらず、生きるためには戦争で生計を立てていかなければいけない彼女の葛藤と生き方を問います。この作品の素晴らしい点は、作者の主張やわざとらしいお涙ちょうだいなシーンがなく、戦争とそこに生きる人々、その事実が淡々とリアルに描かれている点です。世界的に評価されているこの作品。あなたはどのように感じるかぜひ読んで確かめてみてくださいね!

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『ガラスの動物園』テネシー・ウィリアムズ(戯曲)

アメリカ文学最高峰の名作戯曲!

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  • 初演:1944年初演(アメリカ)
  • 難易度:★★★☆☆ (中級)
  • 所要時間:2時間程度(191ページ)
  • 値段:¥572(税込)

本の概要
不況時代のセント・ルイスの裏街を舞台に、生活に疲れ果てて、昔の夢を追い、はかない幸せを夢見る母親、脚が悪く、極度に内気な、婚期の遅れた姉、青年らしい夢とみじめな現実に追われて家出する文学青年の弟の三人が展開する抒情的な追憶の劇。作者の激しいヒューマニズムが全編に脈うつ名編で、この戯曲によって、ウィリアムズは、戦後アメリカ劇壇第一の有望な新人と認められた。(新潮社)
参照:https://www.shinchosha.co.jp/book/210907/

おすすめポイント

アメリカで知らない人はいないと言っても過言ではない劇作家、テネシー・ウィリアムズ。この作品はブロードウェイで大ヒットし、彼を一躍有名にしました。テネシー自身の精神病院にいる姉のことを思い、書いた作品です。テネシー・ウィリアムズは生涯、孤独と戦い続け私生活はうまくいっていなかったと言われています。この作品の登場人物たちも繊細で傷つきやすいが故に自分の人生とうまく折り合いをつけられなかったり、愛するが故にくるしめてしまったり、テネシー自身の葛藤と重なる部分も多く、自伝的要素が強いと言われています。人間の心理を巧みに表現しており、現在でも多くの人が共感し、心動かされる作品です。

登場人物はたった4人。しかしテネシー・ウィリアムズの特徴でもある洗練された言葉の数々で飽きることは一切なく、むしろどんどんと物語に引き込まれていきます。演劇人でなくても一度は読んでほしい作品です!1987年公開、ポール・ニューマン監督の映画版も非常に高い評価を受けています。彼の作品が気に入った方は、『欲望という名の列車』も非常に有名な作品ですのでチェックしてみてくださいね!

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『セールスマンの死』アーサー・ミラー(戯曲)

現代に生きる人々みんなに通ずる葛藤を描いた名作!

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  • 初演:1949年初演(アメリカ)
  • 難易度:★★★☆☆ (中級)
  • 所要時間:2時間程度(248ページ)
  • 値段:¥1,100(税込)/ Kindle版 ¥792

本の概要
かつて敏腕セールスマンで鳴らしたウイリー・ローマンも、得意先が引退し、成績が上がらない。帰宅して妻から聞かされるのは、家のローンに保険、車の修理費。前途洋々だった息子も定職につかずこの先どうしたものか。夢に破れて、すべてに行き詰まった男が選んだ道とは……家族・仕事・老いなど現代人が直面する問題に斬新な手法で鋭く迫り、アメリカ演劇に新たな時代を確立、不動の地位を築いたピュリッツァー賞受賞作(ハヤカワ演劇文庫)
参照:https://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000011204/shurui_9/page1/order/

おすすめポイント

アーサー・ミラーはテネシー・ウィリアムと並ぶアメリカ演劇を語る上では欠かせない劇作家の一人です。マリリン・モンローの元旦那として知っている方もいるかもしれません。先ほどテクニック編で紹介したステラ・アドラー著『魂の演技レッスン22』では「英国人のハムレットに匹敵するのはセールスマンの死」だと描かれており、役者に取っても非常にチャレンジングでやりがいのある作品です。

第二次世界大戦後、世界中で恐ろしいスピードで技術が発展していき、経済も大きく変わりました。そんな中かつては敏腕セールスマンだった主人公ウィリーも次第に時代に振り落とされていきます。彼の葛藤、叫び、孤独に心を動かされるのは、きっと私たちとも通じる普遍的な感情や世界が非常にうまく表現されているからだと思います。一度読んだら忘れられない、最後まで引き込まれる名作です!!

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『ゴドーを待ちながら』ベケット(戯曲)

答えがない究極の不条理演劇作品!

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  • 初演:1953年初演(フランス)
  • 難易度:★★★★★ (上級)
  • 所要時間:2時間半程度(204ページ)
  • 値段:¥1,320(税込)

本の概要
田舎道。一本の木。夕暮れ。エストラゴンとヴラジーミルという二人組のホームレスが、救済者・ゴドーを待ちながら、ひまつぶしに興じている──。そこにやってきたのは…暴君ポッツォとその召使いラッキー、そして伝言をたずさえた男の子!不条理演劇の最高傑作として名高い、ノーベル文学賞作家ベケットを代表する傑作戯曲。(白水社)
参照:https://www.hakusuisha.co.jp/book/b205629.html

おすすめポイント

ストーリーは二人のホームレスが得体の知れない救援者「ゴドー」をただただ待ち続ける、ただそれだけです。しかしそれだけにも関わらず、この作品が50年以上も世界中で読者を魅了し続けているのは、そこに私たちの人生と重なる何かを感じるからだと思います。

「不条理演劇」の最高傑作としても名高いこの作品は、すこし難易度が高いですが演劇人にとっては必須なのでリストに入れました!理解しよう、わかろうとすると非常に混乱してしまいます。というのも、私たち人間は答えを求めたり、理解しようとして読むことが多いからです。この戯曲に正解はありません。ただ文字を追って、まずは何を感じるかを是非楽しんでみてください!

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『近代能楽集』三島由紀夫(戯曲)

海外でも大人気!日本が誇る三島由紀夫の美学が詰まった作品。

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  • 1956年初版(日本)
  • 難易度:★★★☆☆ (中級)
  • 所要時間:2時間半程度(272ページ)
  • 値段:¥605(税込)

本の概要
はやくから謡曲に親しんでいた著者が、能楽の自由な空間と時間の処理方法に着目し、その露わな形而上学的主題を現代的な状況の中に再現したのが本書である。リアリズムを信条としてきた近代劇に対して、古典文学の持つ永遠のテーマを“近代能”という形で作品化した8編の大胆な試みは、ギリシャ古典劇にも通じるその普遍性のために、海外でも上演され好評を博した。(新潮社)
参照:https://www.shinchosha.co.jp/book/105014/

おすすめポイント

『近代能楽集』は日本が誇る文学者・三島由紀夫が能の謡曲を近代劇に翻案したものです。小さい頃から能楽に親しんでいた三島は20代でこの作品を作り上げたというので驚きです。国内のみならず海外でも非常に好評で、今でも世界中で上演されています。三島の作品の中で一番好き!だという人も少なくありません。本編は短めの作品が8編載っているので、三島の作品を初めて読むという人にもオススメです。

能楽を元に作られていますが、原作を知らなくても十分に楽しめる上、これがきっかけで能楽の原作に立ち返る人も多いです。三島の戯曲はシュールかつ、人生や人間の心理の機微を独特のセリフで描写しているのが特徴です。この作品も美しい文章で、特に女性の情念の深さや美しさが非常に魅力的に描かれています。三島由紀夫を語らずして日本文学は語れません!何度立ち返っても新たな発見がある作品です。

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『動物園物語 / ヴァージニア・ウルフなんかこわくない』エドワード・オールビー(戯曲)

アメリカの伝統リアリズム演劇を破壊したオールビーの名作!

『動物園物語 / ヴァージニア・ウルフなんかこわくない』サムネイル
  • 初演:1958年・1962年(アメリカ)
  • 難易度:★★☆☆☆ (初級)
  • 所要時間:3時間程度(305ページ)
  • 値段:¥924(税込)

本の概要
ある日公園でピーターはジェリーという男に出会う。問われるまま家族や仕事のことを話す。やがて饒舌なジェリーに辟易し、遂に……不条理な世界に巻き込まれた常識人を描くデビュー作「動物園物語」。パーティ帰りの真夜中、新任の夫妻を自宅に招いた中年の助教授夫妻。やがて激しい罵り合いが……幻想にすがる人間の姿、赤裸々な夫婦関係を描く「ヴァージニア・ウルフなんかこわくない」。現代演劇の第一人者の傑作二篇。(ハヤカワ演劇文庫)
参照:https://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000011206/genre_001016/page2/disp_pc/

おすすめポイント

アメリカ現代演劇を語る上では欠かせない劇作家のエドワード・オールビーの処女作である『動物園物語』と世界中で有名な『ヴァージニア・ウルフなんかこわくない』の2作品入った一冊。エドワード・オールビーを知るためにはこの2作品は必読です!『ヴァージニア・ウルフなんかこわくない』は彼のブロードウェイのデビュー作でもあります。

アメリカらしいリアリズム演劇が基礎にありつつ、それを破壊するような不条理演劇の暴力性も交えたインパクトの強い作品です。社会風刺を交えつつ人間を深く描いています。オールビーの作品はぽんぽんテンポよく飛び交う会話も特徴なので、文字で読むと少しイメージがつくにくいかもしれません。ぜひ登場人物たちが話している姿を想像しながら読んでみてくださいね!

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『友達・棒になった男』安部公房(戯曲)

美しくも奇妙な日本の不条理演劇作品!

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  • 難易度:★★★★☆ (中〜上級)
  • 初演:1969年(日本)
  • 所要時間:3時間程度(352ページ)
  • 値段:¥605(税込)

本の概要
平凡な男の部屋に闖入してきた9人の家族。善意に満ちた笑顔で隣人愛を唱え続ける彼らの真意とは? どす黒い笑いの中から他者との関係を暴き出す傑作「友達」〈改訂版〉。日常に潜む底知れぬ裂け目を三つの奇妙なエピソードで構成した「棒になった男」。激動の幕末を生きた人物の歴史的評価に新たな光を当てた「榎本武揚」。斬新な感性で“現代”を鋭く照射する、著者の代表的戯曲3編を収録。(新潮社)
参照:https://www.shinchosha.co.jp/book/112119/

おすすめポイント

必ず読むべき日本人劇作家の一人、安部公房。1951年に『壁』で芥川賞を受賞。1962年に発表した『砂の女』は読売文学賞を受賞したほか、フランスでは最優秀外国文学賞を受賞しています。1973年には独自の演劇集団「安部公房スタジオ」を結成し、独自の演劇活動でも有名でした。そんな彼の作品の中でも、『友達』は先ほど紹介した三島由紀夫に「安部公房の傑作である」と絶賛されたそうです。

なんとも言えない奇妙な世界観や設定が安部公房の作品の特徴です。そんな奇妙な設定の中でも、現代人の特徴をよく捉えた視点で登場人物を描き、多くの人々にいい意味で不気味な印象を与えているのがこの作品です。他者との関係性の中での生きづらさや未知への恐怖が静かに美しく描かれています。日本の不条理演劇の真髄をぜひ堪能してください!

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『父と暮せば』井上ひさし(戯曲)

語り継ぎたい日本の一冊。戦後の広島を生き抜く主人公の葛藤を描く!

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  • 初演:1994年初演(日本)
  • 難易度:★☆☆☆☆ (初級)
  • 所要時間:1時間半程度(128ページ)
  • 値段:¥354(税込)

本の概要
「うちはしあわせになってはいけんのじゃ」愛する者たちを原爆で失った美津江は、一人だけ生き残った負い目から、恋のときめきからも身を引こうとする。そんな娘を思いやるあまり「恋の応援団長」をかってでて励ます父・竹造は、実はもはやこの世の人ではない――。「わしの分まで生きてちょんだいよォー」父の願いが、ついに底なしの絶望から娘をよみがえらせる、魂の再生の物語。
参照:https://www.shinchosha.co.jp/book/116828/

おすすめポイント

日本を代表する劇作家、井上ひさしの名作「父と暮せば」は戦後、原爆投下後の広島を舞台にした作品です。被爆した父の亡霊と娘・美津江を描いた二人芝居。生き残ったことに罪悪感を感じ幸せになってはいけないと心を閉ざす美津江と、死んだはずのおとったん。2人のやりとりは時におもしろく、時に悲しく、心に染み渡ります。静かに広がる悲しみと未来への希望を感じる作品です。

井上ひさしの作品は登場人物が非常に丁寧に描かれており、活字で読んでもストーリーやキャラクターが生き生きとしているので読みやすい作品だと思います。2004年に黒木和雄監督、宮沢りえ主演で映画化もされました。日本人として後世に必ず残していきたい作品です。

   『父と暮せば』を読む  

 

演劇本30選まとめ

劇場の全体図の写真

さて、今日は演劇本をくまなくチェックしている私がオススメする演劇本30選を「演劇論」「テクニック」「戯曲」に分けてご紹介してきました。

いかがでしたか?ここで紹介したのは選びに選び抜いた30冊です!

もちろん他にも沢山ご紹介したい作品や本はあるのですが、まず演劇本に一度も触れたことがないという方は、このリストの中から探してみてくださいね!

ライブエンターテイメントが恋しいみなさん、この時期だからこそ本を楽しんでくださいね!

 

上記でご紹介した本を電子書籍で読みたい!という方は、電子書籍ストアの比較記事もご覧ください👇

www.omaeha-warauna.com

 

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